竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

エキス剤
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処方する患者さんのイメージ

  1. 皮膚が浅黒く、体力のある人の下腹部の炎症、尿道炎、膀胱炎

一貫堂医学の解毒症体質の壮年期、下半身の症状のための処方です。解毒症体質に対する処方は竜胆瀉肝湯を入れて大きく3つありますが、残りの2つは柴胡清肝湯、荊芥連翹湯です。どれも温清飲が基本骨格と考えれば理解しやすいです。

ツムラ・クラシエ・コタローの76番です。

入っている生薬とその狙い

基本骨格は黄連解毒湯+四物湯の温清飲です。温清飲は皮膚炎や口内炎の処方で、炎症抑え冷やす黄連解毒湯と、血を補い、血の流れをよくする四物湯が合わさってできています。竜胆は熱を取る生薬、車前子と木通、沢瀉は利水作用がありこれが尿路系の炎症を改善する働きをになっていると考えられます。。コタローはツムラ・クラシエとちがい生薬が多いですが、温清飲をきちんと含んでいる+炎症をとる生薬が強化されていると考えればわかりやすいです。

竜胆(りゅうたん):炎症を抑え鎮痛する。竜胆+黄芩で炎症と充血をとる、竜胆+地黄で血が鬱滞し炎症を起こしている状態を治す。

黄芩(おうごん):胃腸・肝蔵・肺の炎症を治す。

山梔子(さんしし):発熱を伴う黄疸を治す。 眼や、皮膚の充血を治す。

地黄(じおう):体の水と血を補う。熱を下げる。

当帰(とうき):血を作り、気を巡らせて月経不順、月経痛、腹痛、冷え性、腹痛などを治す。

沢瀉(たくしゃ):体内に余分にたまった水を排尿によって治す。

木通(もくつう):炎症を抑える。利尿して水分のバランスを調える。

車前子(しゃぜんし):利水薬。炎症をとる。痛みを止める。車前子+木通で尿道炎・膀胱炎に等による排尿痛、血尿、乏尿、帯下を治す効果がある。

甘草(かんぞう):筋肉・関節・腹部の緊張を解き、鎮痛する。痰をきる・のどの痛みをとる。

コタローの竜胆瀉肝湯は以下の生薬が加わっています。

黄連(おうれん):胃の炎症を治す。胃炎、胃潰瘍を治す。口内炎を治す。 血の巡りが悪いことによる炎症疾患、痔・結膜炎・面疔・中耳炎などを治す。

黄柏(おうばく):胃腸炎、炎症性の下痢を治す。

芍薬(しゃくやく):四肢と腹部の緊張をとる→筋肉痛・けいれん・腹痛を治す。 婦人科系の働きを調えて月経不順・帯下・月経痛を治す。(駆瘀血・通経)

川芎(せんきゅう):血流を改善し、気を巡らせて月経不順、月経痛、腹痛、冷え性などを治す。 血行を促進して、気を巡らせて頭痛を治す。

防風(ぼうふう):汗をかかせて頭痛、めまい、関節痛を治す。

薄荷(はっか):皮膚の発疹で発疹を促進して病気の経過を早める。

連翹(れんぎょう):上半身の炎症、熱を抑える。 炎症のあるできものの排膿を促す。

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