甘草(かんぞう)

生薬
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何者か

マメ科Glycyrrhiza uralensis FischerまたはG.glabra Linneの根

使われ方

ありとあらゆるエキス剤に配合されているんじゃないかと思えるぐらい、いろんな処方にはいっている生薬です。他の生薬と合わせることによって作用を増強したり、強すぎる効果を和らげて調整するようです。

使われているエキス剤が多いので処方を重ねると副作用が出やすいので注意が必要です。

  1. 精神安定作用
    気を降ろす作用。桂皮・大棗・山梔子・小麦とあわせると作用が増強される
  2. 緊張緩和・鎮痛
    筋肉・関節・腹部の緊張を解き、鎮痛する。芍薬や附子とあわせると作用が増強する。むくみを増強する作用があるので、むくんで痛いときはきかない。
  3. 痰をきる・のどの痛みをとる。
    桔梗や杏仁を合わせると作用が増強する。
  4. 疲れやすい・意欲がない・息切れ・冷えなどの症状を改善する(気を補う。)
    乾姜や附子と合わせると効果増強
  5. 強い下剤の作用を和らげる。下剤による腹痛を和らげる。
  6. 発汗作用のある生薬、強い下剤で脱水になるのを防ぐ。
  7. 消化管の調子を整える。潰瘍を治す
    人参・大棗・生姜・白朮・茯苓とあわせて効果を狙う。

成分

  • グリチルリチン
  • リキリチゲニン
  • イソリキリチゲニン

グリチルリチン酸はアルドステロン作用(水分の保持)とステロイド不活性化酵素の抑制によって副腎皮質ステロイドの効果を持続させる働きがあります。副腎皮質ステロイドは急性期に抗ショック・抗ストレスホルモンとして分泌が増加します。グリチルリチン酸はその効果を増強します。

この生薬使われているエキス剤

数え切れないぐらい、たくさんあります。

特に多く含まれているのは、

甘草瀉心湯、小青竜湯、人参湯、五淋散、芍薬甘草湯、甘麦大棗湯、芎帰阿膠湯、桂枝人参湯、黄連湯、排膿散及湯、桔梗湯など。

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