七物降下湯(しちもつこうかとう)

エキス剤
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処方する患者さんのイメージ

  1. 弱々しい人で高血圧があり、耳鳴り、のぼせ、肩こり、頭重感などの随伴症状のある人。

昭和の漢方医の大塚敬節が作った処方で、もともとはご自分の高血圧による眼底出血のために処方したと物だそうです。ですが現在のエキス剤の適応には眼底出血はありません。あくまで高血圧による随伴症状への薬なので高血圧そのものは西洋薬で治療することも多いと思います。

ツムラ・クラシエ・コタローの46番です。

入っている生薬とその狙い

芍薬(しゃくやく):四肢と腹部の緊張をとる。筋肉痛・けいれん・腹痛を治す。 婦人科系の働きを調えて月経不順・帯下・月経痛を治す。(駆瘀血・通経)

当帰(とうき):血を作り(漢方的な意味で:補血)、気を巡らせて月経不順、月経痛、腹痛、冷え性、腹痛などを治す。

地黄(じおう):体の水と血を補う。熱を下げる。乾いた咳を止める。 止血する。

川芎(せんきゅう):血流を改善(漢方的な意味で)し、気を巡らせて月経不順、月経痛、腹痛、冷え性などを治す。 血行を促進(こちらも漢方的な意味で)して、気を巡らせて頭痛を治す。

黄耆(おうぎ):弱々しい人の胃腸を強め、気を巡らせて貧血、顔が蒼い、めまいなどを治す

黄柏(おうばく):胃腸炎、炎症性の下痢を治す。

釣藤鈎(ちょうとうこう):頭痛、めまい、目の充血を治す。痙攣を治す。(肝の機能異常による気の上衡を下げる) 血圧を下げる。 神経の緊張緩和。

基本は補血駆瘀血の薬である四物湯(芍薬+当帰+地黄+川芎)。それに黄耆、黄柏、釣藤鈎を足した物です。

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