八味地黄丸(はちみじおうがん)

エキス剤
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処方する患者さんのイメージ

  1. 生殖機能(生命力そのものも含む)と泌尿器の機能が弱って元気がない人に使います。(腎虚用の処方)

イメージとしては男性の更年期障害みたいな感じです。あとは働き過ぎ、飲み過ぎ、性生活頑張りすぎなど限界を超えてむちゃして元気がなくなった人というイメージです。

具体的な症状としては全体に機能が衰え、活気がない、インポテンツ、体の冷え、頻尿・腰膝のだるさ、慢性腎炎、失禁、むくみです。のぼせ、耳鳴り、めまい、不眠、遺精、寝汗などが起こる場合もあります。

処方エキス剤ではツムラ・クラシエ・コタローの番号7番。

似たような処方に六味丸、牛車腎気丸があります。どれも同じ症状に使いますが、体が特に冷える人には八味地黄丸です。特に体がむくんで節々が痛い人には牛車腎気丸がいいでしょう。

腎とは

漢方で腎と呼ばれている概念は、西洋の解剖学的な「腎臓」よりも広い機能があります。

機能は2つ。1つは生命力そのものや、元気を貯蔵しておくような機能で、成長・発育・生殖の機能をまとめています。もう1つは体内の水分の調節をする泌尿器の機能です。また、脳・骨髄・歯・髪・耳・尿道・肛門は腎と密接な関係があると考えられています。

腎が悪くなる原因

  • 働き過ぎ
  • 飲み過ぎ
  • 性生活の不摂生(やりすぎってこと笑)
  • 体の冷やしすぎ
  • ストレス過多
  • 塩分過食

入っている生薬とその狙い

地黄(じおう):

山茱萸(さんしゅゆ):地黄と合わせて強壮(肝腎を補う)。めまい、耳鳴り、腰と膝のだるさ、無力感、頻尿、遺精、寝汗を治す(腎陰虚を治す)、インポテンツを治す。

山薬(さんやく):強壮。活気がない、インポテンツ、体の冷え、頻尿・腰膝のだるさ、慢性腎炎、失禁、むくみを治す。地黄とあわせて寝汗・熱感・口渇・疲労感を治す。

茯苓(ぶくりょう):利水薬。むくみをとる。

沢瀉(たくしゃ):利水薬。山茱萸とあわせて排尿を促し残尿感を治す。山薬とあわせて脾・腎を補う。

牡丹皮(ぼたんぴ):地黄とあわせて鬱血を治し、熱感、手足のほてりを治す。

桂皮(けいひ):あたためる。

附子(ぶし):腎気を補う。茯苓の利尿効果を強めて、むくみをとる。(心拍出量を増やし腎血流が増えることによると思われる)。

 

 

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