滋陰降火湯(じいんこうかとう)

エキス剤
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処方する患者さんのイメージ

  1. 弱々しい人で乾いた咳、特に夜間に咳が出る人

滋陰とは足りない陰を補うという意味で、陰とは体の潤い、水分と考えればいいと思います。つまり、体や臓器の潤いが足りないことによる症状を治すための処方です。弱々しい人の咳や痰のための処方ですが、さらに絞り込むと水分が足りないというイメージの人に使います。滋陰至宝湯とよく似ていますが、どちらかというと滋陰至宝湯のほうが精神症状を伴っている人に使うというイメージでしょうか。

ツムラ・クラシエ・コタローの93番です。

入っている生薬とその狙い

白朮(びゃくじゅつ):胃腸の働きを改善して食欲不振、腹部膨満、下痢を治す。体表と腹部の余計な水分を取り除く。

地黄(じおう):体の水と血を補う。熱を下げる。乾いた咳を止める。

芍薬(しゃくやく):婦人科系の働きを調えて月経不順・帯下・月経痛を治す。筋肉痛・けいれん・腹痛を治す。

陳皮(ちんぴ):肺の湿りをとり、咳を治す。痰を除く。

当帰(とうき):血を作り(漢方的な意味で:補血)、気を巡らせて月経不順、月経痛、腹痛、冷え性、腹痛などを治す。体を温めて、婦人科系の働きを活性化させる。

麦門冬(ばくもんどう):肺を潤して、乾いた咳を止める。

黄柏(おうばく):炎症を抑える。

知母(ちも):胸部、腹部の炎症を抑えて解熱する。体の水分を補い寝汗や口渇を治す。

天門冬(てんもんどう):体の水分を補う。肺の水分を補って炎症をおさえる。天門冬+麦門冬で肺の水分を補い咳を止める効果、天門冬+地黄で体の水分を補い炎症を治す効果

甘草(かんぞう):気を降ろす作用。筋肉・関節・腹部の緊張を解き、鎮痛する。芍薬とあわせると作用が増強する。疲れやすい・意欲がない・息切れ・冷えなどの症状を改善する。胃腸を整える。

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