補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

エキス剤
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処方する患者さんのイメージ

  1. 夏ばてや消耗状態で元気がない人
  2. 癌などの疾患で元気がない人
  3. 自己免疫疾患や結核、炎症性疾患で消耗し元気がない人
  4. 特に疾患はないが疲れやすく昼間から眠い人

とにかく元気がない人のための薬です。欠乏している気を補い元気を出すための処方です。血も足りない人は十全大補湯を使うとよいかもしれません。

ツムラ・クラシエ・コタローの41番です。

入っている生薬とその狙い

黄耆(おうぎ):弱々しい人の胃腸を強め、気を巡らせて貧血、顔が蒼い、めまいなどを治す。弱々しい人の過度の汗を利尿によって止める。

白朮(びゃくじゅつ):胃腸の働きを改善して食欲不振、腹部膨満、下痢を治す。

人参(にんじん):気を補うのに高い効果があり、胃腸系、呼吸器系を活性化する。下痢を治し、消化を促進する。体力をつける。肺機能を高める。咳を止め、痰を切る。

柴胡(さいこ):肝(現代の肝蔵より広い機能をもつ漢方的な意味で。)の働きを調え神経緊張を和らげるなど神経症状の改善。 下部に停滞した気を引き上げて倦怠無力感、胃下垂、子宮下垂、脱肛、下痢を治す。

当帰(とうき):血を作り(漢方的な意味で:補血)、気を巡らせて月経不順、月経痛、腹痛、冷え性、腹痛などを治す。

升麻(しょうま):臍から恥骨までの気が足りない状態を改善し、脱肛、子宮下垂、下痢、倦怠を治す。

陳皮(ちんぴ):胃腸を調える。腹部の張りと膨満感を直す。食欲増進。

大棗(たいそう):胃腸の気を補い、機能を整える。 精神安定をはかる(気虚を補う)

甘草(かんぞう):疲れやすい・意欲がない・息切れ・冷えなどの症状を改善する(気を補う。) 乾姜や附子と合わせると効果増強。

乾姜(かんきょう):体を温める。下半身の冷えに使う。胃腸を温め腹痛、腰痛、頻尿を治す。

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