処方する患者さんのイメージ
- 弱々しく、疲れやすい、冷え性、気分が落ち込み気味の人。
- 胃腸などの機能が低下した人
元気がない人に元気を出させる四君子湯。気虚のための基本処方です。しかし単独で使うことはあまり多くはなく、他の処方に配合されて使われていると考えた方がよいです。白朮ではなく蒼朮を使う処方もあります。
気虚とはなにか、ということですが、西洋医学との関連性からいえば、
- 代謝の低下による全身的な症状としての元気の低下
- 中空臓器、特に消化管の筋緊張低下、弛緩による運動低下
とまとめた、山本巌流の考え方がわかりやすかったです。
所見としては、顔色が蒼い、口唇が血色が少ない、手足がだるい、疲れやすい、言葉に力がない、息が続かない、脈が弱々しいなどが気虚のサインと言えます。
西洋医学の疾患での適応を考えるときは、特に特定の疾患ではなく、気虚の症状のあるあらゆる疾患に治療の補助として使うとよいとされています。
ツムラ・クラシエ・コタローの75番です。
入っている生薬とその狙い
人参(にんじん):気を補うのに高い効果があり、胃腸系、呼吸器系を活性化する。下痢を治し、消化を促進する。体力をつける。肺機能を高める。咳を止め、痰を切る。
白朮(びゃくじゅつ):胃腸の働きを改善して食欲不振、腹部膨満、下痢を治す。
茯苓(ぶくりょう):利水。胃腸の機能を高めて水腫や浮腫を治す。 胃にぽちゃぽちゃ水がたまる状態(胃内停水)を治して胃腸機能を調える。
甘草(かんぞう):疲れやすい・意欲がない・息切れ・冷えなどの症状を改善する(気を補う。) 乾姜や附子と合わせると効果増強。
大棗(たいそう):胃腸の気を補い、機能を整える。 精神安定をはかる(気虚を補う)
生姜(しょうきょう):吐き気止め。大棗+生姜+甘草のトリオで胃腸系を整える役割
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