処方する患者さんのイメージ
女性のための3大処方の1つです。「女性のための」は月経不順、月経困難、更年期障害などそのものとそれにまつわる体とメンタルの不調に使う漢方という意味にとらえるといいと思います。
- 弱々しく全体としては冷え性だが、イライラ、神経が高ぶっていて、頭はカッカとしている人。自律神経失調症的な症状があちこちに出ている。
- 1の様な人の月経不順、月経困難、更年期障害
具体的には肩がこる、めまい、頭痛、のぼせ、発汗、イライラ、不安などがたくさん出ている状態です。。ぶっちゃけてしまうと、不定愁訴が多いってことですね。
血の巡りが悪くて体の調子がわるいのと、気が上半身にたまって降りてこないことから不安、イライラなどの精神症状が合わさって、あちこちに症状が出ます。逍遙は気ままにあちこちを歩き回るこという意味で、この処方もあちこちにとぶ症状にちなんでつけられています。
ツムラ・クラシエ・コタローの24番です。
入っている生薬とその狙い
柴胡(さいこ):肝(現代の肝蔵より広い機能をもつ漢方的な意味で。)の働きを調え神経緊張を和らげるなど神経症状の改善。
当帰(とうき):血を作り(漢方的な意味で:補血)、気を巡らせて月経不順、月経痛、腹痛、冷え性、腹痛などを治す。体を温めて、婦人科系の働きを活性化させる。
芍薬(しゃくやく):婦人科系の働きを調えて月経不順・帯下・月経痛を治す。筋肉痛・けいれん・腹痛を治す。
白朮(びゃくじゅつ):胃腸の働きを改善して食欲不振、腹部膨満、下痢を治す。体表と腹部の余計な水分を取り除く。
茯苓(ぶくりょう):胃腸の機能を高めて、胃にたまった水を取り除く。むくみを治す。水が滞ることによる精神不安を治す。
山梔子(さんしし):胸のつかえる感じ、熱感を治す。上半身に滞った気を降ろして精神安定をはかる。
牡丹皮(ぼたんぴ):血の巡りが悪いことによる頭痛、腹痛、腰痛、月経不順、月経痛を治す。
薄荷(はっか):熱を下げ、痛みをとめて、のぼせによる頭痛や咽頭痛を治す。
甘草(かんぞう):気を降ろす作用。山梔子とあわせると作用が増強される。筋肉・関節・腹部の緊張を解き、鎮痛する。芍薬とあわせると作用が増強する。疲れやすい・意欲がない・息切れ・冷えなどの症状を改善する。胃腸を整える。
生姜(しょうきょう):胃腸を調える。
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