人参栄養湯(にんじんえいようとう)

エキス剤
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処方する患者さんのイメージ

  1. 体が衰弱して、気力もなく元気がない人
  2. 疲労倦怠感、貧血、皮膚の乾燥、食欲不振、寝汗、手足の冷えなどに使う。

体も弱り、気力もなく元気がない人のための薬です。構造は十全大補湯に似ていて、十全大補湯ー川芎+(五味子、遠志、陳皮)です。五味子、陳皮、陳皮は咳、痰に効果があるので十全大補湯を使いたいような衰弱した人で呼吸器症状のある場合は、人参栄養湯を選ぶといいと思います。

ツムラ・クラシエ・コタローの108番です。

入っている生薬とその狙い

黄耆(おうぎ):弱々しい人の胃腸を強め、気を巡らせて貧血、顔が蒼い、めまいなどを治す。弱々しい人の過度の汗を利尿によって止める。

桂皮(けいひ):血の巡り(漢方的な意味で)が悪くて起こる諸症状の緩和

当帰(とうき):血を作り(漢方的な意味で:補血)、気を巡らせて月経不順、月経痛、腹痛、冷え性、腹痛などを治す。

芍薬(しゃくやく): 駆瘀血・通経

地黄(じおう):体の水と血を補う。熱を下げる。乾いた咳を止める。

人参(にんじん):気を補うのに高い効果があり、胃腸系、呼吸器系を活性化する。下痢を治し、消化を促進する。体力をつける。肺機能を高める。咳を止め、痰を切る。

白朮(びゃくじゅつ):胃腸の働きを改善して食欲不振、腹部膨満、下痢を治す。

茯苓(ぶくりょう):利水。胃腸の機能を高めて水腫や浮腫を治す。 胃にぽちゃぽちゃ水がたまる状態(胃内停水)を治して胃腸機能を調える。

甘草(かんぞう):疲れやすい・意欲がない・息切れ・冷えなどの症状を改善する(気を補う。) 乾姜や附子と合わせると効果増強。

遠志(おんじ):精神安定。頭をすっきりさせる。 去痰する。

陳皮(ちんぴ):胃腸を調える。腹部の張りと膨満感を直す。食欲増進。 肺の湿りをとり、咳を治す。痰を除く。

五味子(ごみし):肺が弱っている時の咳を治す。 体の水分を補う。過度の発汗を抑える。 腎虚によるインポテンツと水様性下痢に使う。

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