当帰湯(とうきとう)

エキス剤
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処方する患者さんのイメージ

  1. 弱々しく冷える人の心窩部痛、腹痛
  2. 冷え性
  3. 血虚を伴う腹痛・腹部膨満

血虚と気虚のある人の腹部症状に使います。血虚があったり、冷えの強い腹痛・腹部膨満は大建中湯よりもこちらを使います。大建中湯のうち膠飴をのぞいた3種の生薬は当帰湯にも含まれています。

ツムラ・クラシエ・コタローの102番です。

入っている生薬とその狙い

当帰(とうき):血を作り、気を巡らせて月経不順、月経痛、腹痛、冷え性、腹痛などを治す。

半夏(はんげ):咳を止める。特に痰がらみの咳の湿りをとって、痰を切り咳を止める。 胃の機能を調え、胃に水がたまるのを治し、吐き気を止める。

桂皮(けいひ):軽い発汗作用。 精神不安・不眠・めまいを和らげる。 血の巡りが悪くて起こる諸症状の緩和。冷えて痛む腹部を温めて腹痛を和らげる。

厚朴(こうぼく):精神的な要因の強い咳に使う。 胃腸の機能を促進して腹部の張りと緊張感をとる。腹にたまるガスを取り除く。

芍薬(しゃくやく):四肢と腹部の緊張をとる→筋肉痛・けいれん・腹痛を治す。 婦人科系の働きを調えて月経不順・帯下・月経痛を治す。(駆瘀血・通経)

人参(にんじん):気を補うのに高い効果があり、胃腸系、呼吸器系を活性化する。下痢を治し、消化を促進する。体力をつける。肺機能を高める。咳を止め、痰を切る。

黄耆(おうぎ):弱々しい人の胃腸を強め、気を巡らせて貧血、顔が蒼い、めまいなどを治す。

蜀椒(しょくしょう):胃腸を温め、冷えによる痛みを治す。消化管に寄生する寄生虫による腹痛を治す。嘔吐、水溶性下痢を治す。蜀椒+乾姜で胃腸を温め、機能を促進する効果。蜀椒+人参で胃腸の冷えを治し、腹痛を治すなどの効果。

甘草(かんぞう):筋肉・関節・腹部の緊張を解き、鎮痛する。疲れやすい・意欲がない・息切れ・冷えなどの症状を改善する。消化管の調子を整える。潰瘍を治す。

乾姜(かんきょう):体を温める。下半身の冷えに使う。胃腸を温め腹痛、腰痛、頻尿を治す。 冷えによる咳に用いる。

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