木防已湯（もくぼういとう）

処方する患者さんのイメージ

1. 体力はそこそこあるが、顔色が悪い人で、肺に水がたまっている人、むくみや息切れ、動悸などの心不全症状ある人

基本としては利水薬です。体の余計な水分を取り除きます。名前は木防已ですが、日本で使われているのは防已です。心不全は西洋医学に強力な治療があるのでそちらを優先した方がいいと思います。それほど重症ではなく副作用などで西洋薬が使いにくいなどの状況では選択枝なると思われます。

ツムラ・クラシエ・コタローの36番です。

入っている生薬とその狙い

防已（ぼうい）：体表の水分を除き浮腫と倦怠感を治す。

石膏（せっこう）：体にこもった熱を解熱する。渇きを治す。肺の炎症を抑え咳を止める。

桂皮（けいひ）：血の巡り（漢方的な意味で）が悪くて起こる諸症状の緩和。体を温める。

人参（にんじん）：気を補うのに高い効果があり、胃腸系、呼吸器系を活性化する。体力をつける。