処方する患者さんのイメージ
- 弱々しい人のぱっとしないかぜ
- 胃腸の調子のわるいかぜ
- かぜを引きやすい人の予防
引き始めからぱっとしないかぜ、かぜの予防につかいます。咳をとくに治します。
ツムラ・クラシエ・コタローの66番。
入っている生薬とその狙い
半夏(はんげ):咳を止める。特に痰がらみの咳の湿りをとって、痰を切り咳を止める。 胃の機能を調え、胃に水がたまるのを治し、吐き気を止める。
陳皮(ちんぴ):胃腸を調える。腹部の張りと膨満感を直す。食欲増進。 肺の湿りをとり、咳を治す。痰を除く。
大棗(たいそう):胃腸の気を補い、機能を整える。 精神安定をはかる(気虚を補う)
人参(にんじん):気を補うのに高い効果があり、胃腸系、呼吸器系を活性化する。下痢を治し、消化を促進する。体力をつける。肺機能を高める。咳を止め、痰を切る。
甘草(かんぞう):痰をきる・のどの痛みをとる。桔梗を合わせると作用が増強する。消化管の調子を整える。潰瘍を治す。 人参・大棗・生姜・白朮・茯苓とあわせて効果を狙う。
生姜(しょうきょう):大棗+生姜+甘草のトリオで胃腸系を整える役割。
枳実(きじつ):胃腸機能の回復して食べ物がおなかにのこることによる腹部膨満、消化不良を治す。 胃と肺の機能低下による咳を治す。
茯苓(ぶくりょう):利水。胃腸の機能を高めて水腫や浮腫を治す。 胃にぽちゃぽちゃ水がたまる状態(胃内停水)を治して胃腸機能を調える。 水が滞ったり、血の巡りが悪いことによって気が上にたまる精神不安に使う。
葛根(かっこん):かぜや筋肉疲労による頭痛、首肩こりに使って、発刊して治す。(発汗解表作用) 炎症性の下痢につかって、炎症と下痢を止める。
桔梗(ききょう):粘性の痰を伴う咳を治す。のどの痛みを治す。
蘇葉(そよう):軽い発汗作用。軽いかぜの初期につかう。 神経性の咳、胸の煩わしさ、喉の違和感を治す。 胃の機能を調えて吐き気を止める。
前胡(ぜんこ):前胡+葛根で熱を鎮め頭痛を治す。前胡+桔梗で鎮咳・去痰。
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