処方する患者さんのイメージ
- 分泌物の多いかさぶたになりかけている皮膚病
- じんましん
グジュグジュした湿疹や水疱瘡のような皮膚のイメージでしょうか。蝉の抜け殻が生薬と使われている唯一の処方エキス剤です。
ツムラ・クラシエ・コタローの番号22番です。
入っている生薬とその狙い
荊芥(けいがい):発汗して体表の疾患を外に追い出す。
防風(ぼうふう):発汗して体表の疾患を外に追い出す。
牛蒡子(ごぼうし):発汗して解熱する、皮疹を治す。
蝉退(せんたい):皮膚の炎症をとる。発疹を促して治す。
知母(ちも):地黄とあわせて皮膚の炎症を治す
石膏(せっこう):皮膚の炎症を抑える、皮膚を潤して皮膚炎を治す。
苦参(くじん):グジュグジュした皮膚炎に使って炎症を抑えてかゆみを止める。
地黄(じおう):体の水と血を補う。
当帰(とうき):血を補い、血巡らせる。
胡麻(ごま):地黄とあわせて肌を潤す。
蒼朮(そうじゅつ):利水により、感冒や体表のむくみによる関節痛、筋肉痛を治す。
木通(もくつう):炎症を抑える。利尿して水分のバランスを調える。
甘草(かんぞう):
皮膚の病気につかう漢方は生薬の種類が多いのが多いですね。整理しましょう。
荊芥、防風、牛蒡子、蝉退は発汗解表薬です。どれも皮膚の病変の治療を得意としているようです。
石膏、知母、苦参は熱を取る生薬、清熱薬です。
地黄、当帰、胡麻は補血駆瘀血薬。皮膚で炎症が起きたときは皮膚に血が集まってしまい体全体の血が足りなくなり血流が悪くなるのでそれを改善します。
蒼朮、木通は利水薬でここでは皮膚病変の分泌物を抑える作用です。
甘草は付け合わせ的な笑。いろいろな調整役と考えればいいでしょう。
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