旅も5日目。このあたりで今回泊まったリゾートの紹介もしようと思う。
リセナンアイランドリゾート Lissenung island resort
今回泊まったリゾートは、ケビエンの内海に浮かぶ、とても小さな島にある。1島が丸ごとリゾートだ。島は東西幅80m、南北に350mの大きさ、周りは白い砂浜に縁取られ、その外側に珊瑚礁が広がる。島には椰子や、熱帯の木々が生い茂り、あちこち南国の花が咲いていて、毎朝落ちた花がコテージに続く道にフラワーシャワーのようにちりばめられる。まさに外観も何もかもが南国の小島だ。
島の中は各コテージなどに続く、白い砂の道が整備されている。島の中はずっと裸足で過ごすことができる。むしろサンダルなどは履かず裸足がおすすめだ。サンダルだと砂が足との間に入って煩わしい感じ。裸足のほうが開放的だし、足に自然を感じることができる。夜の道は照明がなく暗いので、各人に懐中電灯が配られる。
コテージ
コテージは全部で4棟。1棟につき、2部屋が用意されている。1部屋の定員は2人だ。3棟は個別のバスルームがあるが1棟は共用らしい。今回は個別のバスルームのある部屋に泊まった。壁は竹を編んで作られ、屋根は椰子の葉を葺いて作られている高床式の自然派の建物。屋根の半分は雨水を集めるためにトタンで作られている。外観の写真を撮り忘れたので、リゾートのwebページから拝借。
ベランダに上がる階段の下には足の砂を落とすために水がためられている。
窓には虫除けの網が設置されてる。ガラス戸はなく風通しが非常によい。エアコンはないが、天井にファンがついており、これで十分快適に過ごせる。
ベッドには蚊帳がついている。蚊はかなり多く、レストランなどもオープンエアーなので虫除けスプレーは必要だ。
コンセントはO2型、変換プラグは置いていないので、変換プラグは持参必須。電圧は240Vだ。電気は24時間供給されている。
ベランダ側に大きなテーブルが設置されていて作業に便利。また、欧米系の宿泊施設は部屋の照明が暗いことが多いが、このコテージの照明は明るくすることもできるのがとてもよかった。水中器材の中に水が浸入するのを防ぐのに重要なOリングに、糸くずや細かい砂がついていないかの確認などの作業は、部屋が暗いととてもやりにくいので、明るい照明はとても助かる。
バスルームは僕の泊まった部屋では高床式から地上に降りた高さに床があり、部屋の中の階段を数段降りるようになっていた。シャワーはホットシャワー。ランドリーサービスはなし。タオルは基本は数日に一度の交換だ。
ダイニング
食事はすべてこちらで食べる。朝食は7:00から8:30。昼食は朝のダイビングボートが帰ってくる時間にあわせて。夜は19:00からだ。また17時から18時ぐらいにダイニングに行くと、スナックを出してもらえるので夕食前の軽い一杯に最適。
ソフトドリンク、アルコール類はダイニングに設置された冷蔵庫からセルフサービスで取り出して、取り出した分を、冷蔵庫の隣にある自分用のチェック用紙にチェックしていき、最終日にまとめて払うスタイル。コーヒー、紅茶はフリーだ。
食事は、朝は毎回、アメリカンブレックファーストの品目から好きな品とその数をリクエストする形式。昼と夜は肉か魚をつかった料理の2択からチョイスする。朝食時にオーダーを取る紙がまわってくるのでそこにチェックを入れる。
具体的な料理はこちらを参照
ダイビング
ダイビングは基本午前中2本、午後1本のボートダイビングのスタイル。朝の出航は8:30、午後は14:30が基本だが、状況によっては早くなることもある。昼食はリゾートに戻っていただく。そのほかにリゾートのビーチからのセルフダイビングは、無料ですることができる。
ボートは小型のものがメインで屋根はついているが、日差しを防ぐには足りない感じなので、気にする人は日焼け止め対策を。メインのポイントまではほとんどが内海の移動になるので、雨風が強くない限り、波がほとんどなく快適に移動できる。波しぶきはちょくちょくかかるのでぬらしたくないものを持って行くときは防水バッグが必要だ。
ボートへの器材積み込み積み卸しや、セッティングはだいたいやってくれるが、こちらでやることもあるので、きちんと自分でできるのが望ましい。
ダイブショップは広々として使いやすい。滞在中は自分専用の器材置き場と小物を入れておく引き出しを用意してもらえる。レンタル器材もあり、今回BCDとレギュレーターをレンタルしたが、状態はよく、トラブルはなかった。
器材洗い用とカメラ機材洗い用のシンクが用意されていて真水で洗うことができる。カメラの水没チェックはボートではできないので、出発前にこちらでやっておいた方がいい。
リゾートのwebページはこちら。
リゾートの紹介終わり。5日目の記録に戻る。
1本目:アルバトロス・パッセージ albatross passage
アンジーさんの提案通り、本日から朝8時の出航。ボートを南に向け、1日目と同じアルバトロスパッセージへと向かう。快調に内海を抜けて外海へ。昨日3本目と同じ海域とは思えないほどうって変わって海の色は青い。潮の向きが昨日と真逆。このポイントを潜るのに適した向きになっているのだ。ただ、それほど流れは強くなさそう。
エントリー。やはり、1日目ほどではないにしても流れはまったりとしており、のんびりダイビング決定。それでもピックハンドルバラクーダの群れなども現れ、沖合にサメの姿も見えるのでそれなりに楽しめそうだ。
本来求めているダイナミックさがない分、壁によく目がいく。それがなかなか面白くて夢中になる。
そして壁をいろいろのぞき込んでいて見つけたのが、アケボノハゼの団地。噂には聞いていたが本当にあった。白と紫の美しいダイバーに大人気のハタタテハゼの仲間。他の地域では30mぐらいのわりと深いところいて、なかなか見ることができない種。いても同じところには1匹か2匹しかいない。そいつがいきなり同じところに8匹もいた!
持っていたレンズがワイドレンズだったので、証拠写真ですらかなり近づかないと撮れない。しかしかなり接近することができた。他のポイントでもアケボノハゼを見られたのだが、ケビエンのアケボノハゼは逃げない印象だ。これまでパプアニューギニアはアロタウ、キンベ、ケビエンと潜ったがどこもアケボノハゼがたくさんいた。アケボノハゼを心ゆくまで撮りたいならパプアニューギニアがおすすめだ。
ダイナミックなダイビングではなかったが、そのおかげで違うところに目がいき、また別の楽しみを見つけたことに満足して終了。
2本目:ヘルムッツリーフ Helmut’s reef
水面休息をしつつ、ボートを島に沿って西に移動させる。2本目のポイントはヘルムッツリーフ。2日前にもぐったピーターズパッチの内海側に位置する長方形のリーフだ。潮当たりのいい外海の急峻なスロープで大物や魚群を狙った後に、リーフのトップできれいな珊瑚礁を堪能するという計画。
エントリー。25mぐらいまで潜行。前のダイビングの余韻か、やたらのアケボノハゼが目に入ってしまう笑。今度はハタタテハゼと一緒になっているところを発見。ワイドレンズなので証拠写真のみ。
その後はいい潮があたっているため魚が集まり活性化されているのに目を奪われる。
魚に巻かれる感覚を楽しんだ後は、水深を上げていき、リーフトップで遊ぶ。色とりどりのハナダイの仲間がリーフの上を舞っていて非常に華やいだ雰囲気。スロープからわき上がるタカサゴの群れとハナダイのコラボレーションが素晴らしかった。
ハナダイの群れる場所は何度でも撮りたくなってしまう。
最後は流れに流されながらリーフトップの元気なサンゴをながめる。
素晴らしい1本だった。
昼食
島に戻って昼食。米麺と魚のつくね的な一品。あっさり醤油味でとてもよかった。当然のようにおかわり。
3本目:エチューカパッチ Echuca patch
出航は13:45。午後は北へ。今回の旅3回目のエチューカパッチ。同じところに潜るときはレンズをいろいろ試せるのがよい。1台しかカメラ器材を持っていないので、一度のダイビングで選べるレンズは1つだけ。そんな中ここには3回潜ることになったので、今まで使っていないレンズを装着して臨んだ。
当たり前かのごとく、バラクーダのお出迎え。ブラックフィンバラクーダ。
グレーリーフシャークが通り過ぎて行くのを眺める。
スロープにカスミチョウチョウウオがいい感じで漂っていたのでパシャリ。
全体にのんびりした感じで終了。マダラトビエイを見た人もいたが、僕は見逃し。
4本目:ハウスリーフ House reef
島に戻ってくる。スケジュールを前倒ししているのでまだ15時台。ボートの器材を降ろし、ビーチダイビングの準備をする。カメラのレンズを交換する。今日はハウスリーフでイースタンクラウンアネモネフィッシュを見るために潜る。今回の潮回りでは午後遅い時間はハウスリーフの透明度があまりよくなかった。ギンガメアジが群れていたり、潜るには楽しいが、撮影には向かなそうだったのですこし優先度が下がっていて、今までまともに潜っていなかった。しかし ご一緒させていただいている方達から、ハウスリーフの浅く、とてもわかりやすいところにいるとの話を聞いたので撮りたくなったのだ。
アネモネフィッシュと言うのはクマノミのことだ。イースタンクラウンアネモネフィッシュは太い黒線が特徴。
ビーチエントリー。すぐにお目当てのクマノミは見つかったが、砂がかなり巻き上がっていて撮影といった感じではなかったので、ひとまず、みんなを追いかけていきギンガメアジの群れががいることを確認。その辺りにもお目当てのクマノミがいないか探してみたが、見つけられなかったので元の場所に戻って撮影。1本丸々撮影して終了。
夕食
夕食。明日の最終日に向けて英気を養う。そしてダイバー達はいつものように、酒を飲み、陽気に会話を楽しみ、就寝。
おまけ:ニモのモデル
ニモのモデルは映画のアナウンスとしてはカクレクマノミという設定だ。しかし、ダイバー界隈やその他魚にうるさい人の中では、ディズニーのニモのモデルはカクレクマノミか、イースタンクラウンアネモネフィッシュかという論争があった笑。イースタンクラウンアネモネフィッシュには白い部分に黒の縁取りがあるが、カクレクマノミにはない、そしてニモにはあるというのが主な論点だった。
また、イースタンクラウンアネモネフィッシュは、グレートバリアリーフからパプアニューギニアに、カクレクマノミは沖縄から東南アジアに生息しているということになっている。ニモはグレートバリアリーフの話だ。
ニモ。ニモはhttps://kids.disney.co.jp/character/nemo.htmlから引用。
その小ネタをこのブログに載せるために、今まで撮った東南アジアや沖縄で撮ったカクレクマノミを見かえしてみる。
フィリピン。確かに黒縁なし。
タイ。あれ?黒縁あるような。
石垣島。あれれ?やっぱり黒縁あり。
そしてイースタンクラウンアネモネフィッシュ。
この2種は学名が違うので科学的に明確に区別ができる別種であるとされていて、生息域も違う。と言うことは、実は黒縁は種を見分けるための確実なポイントでないのだ。調べると、一番確実な区別は背びれの骨の数だとのこと。イースタンクラウンアネモネフィッシュは10本、カクレクマノミは11本。カクレクマノミの方が背びれが高いのも特徴だそうだ。
と言うことで、確かにイースタンクラウンアネモネフィッシュのほうが黒い部分が太い傾向があるのは確かなのだが、カクレクマノミに黒い縁取りが全くないわけでもない。なのでここ部分をもってニモがカクレクマノミじゃないと言うのはいささか乱暴な話だと言うことがわかった。まあ、生息域からしたらイースタンクラウンアネモネフィッシュの可能性の方が高いのではあるが。背びれの骨を数えてみるのが確実だ笑
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