シミラン諸島クルーズ日記2019: 3日目 ボン島・タチャイ島

タイ
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本日のスケジュール

6:00。ダイビング2日目の朝を迎えた。ウェイクアップコールの鈴が鳴らされるのは6:30だが、一足早く起きて朝の支度をする。
今日はシミラン諸島で1本潜ったあと、シミラン諸島をあとにし、ボン島、タチャイ島で潜る。本日のスケジュールは以下の通りだ。

  • 6:30 起床
  • 7:00 1本目ダイビングブリーフィング: ノースポイント
  • 9:00 朝食
  • 11:00 2本目ダイビングブリーフィング: ボン島ウエストリッジ
  • 13:00 昼食
  • 14:15 3本目ダイビングブリーフィング: タチャイピナクル
  • 15:30 おやつ
  • 17:00 4本目ダイビングブリーフィング: タチャイピナクル
  • 19:30 夕食

1本目:ノースポイント

 本日1本目はシミラン諸島最北のポイント、ノースポイントで潜る。ここの見どころは、巨大な岩の並ぶダイナミックな地形、離れ根の大きなウミウチワ、ソフトコーラルに群れるスカシテンジクダイ、それを狙う捕食者達の群れ、アンダマン海の固有種や、アケボノハゼの親戚などのマクロ生物も見逃せない。

 今回は、昨日マクロレンズで連敗気味だったので、巻き返しを図るべく、マクロ生物再チャレンジ。昨日見られなかったアケボノハゼの親戚がいるだろうとのことだった。このハゼはとても美しいので是非撮りたい。

 アケボノハゼの親戚というのはエクスクイジタダートフィッシュ(Nemateleotris exquisita)のこと。アケボノハゼとよく似ているが、アケボノハゼより、体の白い部分がやや黄色がかっているのと、第1背びれが短いのが特徴だ。

 潜行。エクスクイジタダートフィッシュはやや深いところにいることが予想されるのと、不用意に近づくと巣穴に引っ込んでしまうのでいくつか作戦を立てた。まず、体力と空気温存のために、離れ根には行かずにメインのポイントだけで潜ること。それと、ガイドのツヨキさんがまず探しに行き、僕らはその10mぐらい真上で待機して、見つけたら観察しに行くことにした。ツヨキさんが岩の根元まで探しに行く。なかなか見つからないのか、少し移動を始める。またもや撮影ネタゲットならずかと、嫌な予感がしてしまう。しかし数分のちに、ツヨキさんがこちらに手招きをしたので、近づいていった。いた。いい感じに撮るには、にじり寄って行く必要があり、寄りすぎて引っ込めてしまうというリスクがある。みんなが見る前に引っ込めてしまうのかなりの顰蹙ものだ。今後のチームの士気というか自分の居心地にもかかわる(笑)。

 まず、一緒に潜っている人たちに譲って待機。「ひっこめないでー」と心の中で願う(笑)。みんなが見て移動したら撮影開始だ。まず、遠いところからスタートあまり警戒させないように、撮影しながら、にじり寄っていく。いいペースで進む。が、ここから!というところで、エソという魚が、エクスクイジタダートフィッシュに、いきなり近づいてきたために,一瞬のうちにエクスクイジタダートフィッシュは引っ込んでしまった。30秒ほど待ってみたが、出てくる気配なし。34mの深場であんまり粘るのはよくないし、チームからはぐれるわけにはいかないのであきらめる。10mぐらい上で他の魚を観察していたチームに再度合流した。

 チームの後ろを撮影しながらついていく。途中亀にも遭遇してのんびりいいダイビングだ。最後は岩のトップ水深6mぐらいでシシマイギンポを観察。わりといい感じに撮れたかもしれない。そして。エキジット。

2本目:ボン島ウエストリッジ

 1本目のダインビングをおえて、朝食を取っている間に、クルーズ船はボン島に向けて北上する。シミラン諸島からボン島までは23kmほど離れており、移動にしばし時間がかかる。朝食の後は、カメラのレンズをワイドレンズに交換し、ついでに、1本目に撮ったデータをパソコンで編集。それでも時間が余ったので、家から持ってきた小説を少し読み進め、さらに眠くなったのにまかせてうとうとする。うとうとしている間にボン島に到着。クルーズ船は本当に移動が楽だ。

 ボン島ウエストリッジは大好きなポイント。毎回とは言えないが、マンタに会える島。しかも小ぶりのナンヨウマンタではなく、オニイトマキエイ。石垣島、西表島にパラオ、モルディブ、バリ島と、ボン島よりマンタに高確率で会える海は数多くあるが、オニイトマキエイに現実的な確率で会えて、そこそこ手軽にいけるのはこのボン島以外になかなか思いつかない。オニイトマキエイに会えなくても、ソフトコーラルとスカシテンジクダイが作るカラフルな景観、捕食者達の豪快な突進など見所はたくさんだ。ボン島の記事も書いているのでそちらも読んでいただければ。

 期待に胸を膨らませて潜行。リッジの南側から攻めた。まず浅場のリュウキュウキッカサンゴが復活したというのでそれを見に行く。以前、見に行ったのは2012年なので実に7年ぶりだ。それ以来、サンゴの状態がとても悪くなったとのことでその場所には行っていなかった。エントリーポイントから水深5m程度のところを進む。見て驚いた。復活というか、7年前に見たものよりもずっと規模が大きく広がっていた。7年前は一筋のリュウキュウキッカサンゴのレッドカーペットというイメージで、その両側はガレ場だったが、今回は視界一面に広がるサンゴの畑だ。今思えば7年前はすでにダメになっていて、ぎりぎり見に行けると言ったところだったのかもしれない。またお気に入りのポイントになってしまった。今後は健康なサンゴ畑のままでいて欲しい。

 サンゴ畑を見た後は、ガイドのツヨキさんお勧めの根。小規模ながらなかなかフォトジェニック。リッジの南側をリッジの先端に向かって進む。今シーズンのボン島は調子がよいと、聞いていたが、素晴らしい。

リッジを越えて、定番の大きなハマサンゴの根を観察。

リッジに戻る。捕食者の群れが集団で駆け巡るのを眺めながら、マンタの登場をエアーの許す限り待ったが、残念ながら今回は遭遇できず。それでも十分に楽しかった。

 エキジットして母船に戻ると、他のチームがマンタを見ていた。やはり、今回ボン島は調子がよい。これ1本きりだったらちょっと残念だが、クルーズの日程としては最終日にここに戻ってくる。次回の出会いにさらに期待だ。

3本目:タチャイピナクル

 昼食を食べている間にさらに25kmほど北上して、タチャイ島に到着。別名コタチャイ。「コ」はタイ語で島。「コ~」で~島だ。日本語の旅行記事でも、タイの島はわりと「コ~」で表記されていることもあるので、目にすることも多いかと思う。

 タチャイピナクルは、シミラン諸島クルーズの中では、最も博打性の高いポイントだ。島からやや離れている岩礁で、360度複雑な流れがあたる。ときに激流となる。流れがいい感じにあたれば、大型の捕食者達や中層をタカサゴなどの魚群が乱舞、バラクータの大きな群れ。ときにジンベイサメと何でもありだ。流れがなく外れるとすっからかん、流れが強すぎると魚はいても激流にただたえるだけの修行になることもある。その博打性が面白い。

 エントリー。海面は緩やかな流れ。透明度もよい。中層から岩に近づくといきなり強めの流れに変わる。流れがあるときは、流れが岩礁にぶつかる潮当たりに魚が集まるので、岩をなめるようにして上流を目指す。潮当たりに出るとピックハンドルバラクータがいた。その先にタイの仲間と思われる魚群、ムレハタタテダイとのコラボ。大当たりではないがまずまず。

 ダイナミックな光景を楽しんだ後は、潮に流されながら岩礁を散策。途中、深場にレオパードシャークが寝ていないか見るも、見つからず。ソフトコーラルが全体に減った印象があり、残念だ。最後に岩礁の潮の下流でシェベロンバラクーダの一群が現れた。その上に2,3匹のブラックフィンバラクーダがいた。

 その一群が通過するのを眺めていると、突如その上空にブラックフィンバラクーダの大群が登場。岩礁を離れ群れに近づく。魚群を撮影しながら併走して泳いでいたら、背後から、さらに大きなブラックフィンバラクーダの群れが寄ってきて囲まれた。至福の時だ。しかしエアーもぎりぎりで、そろそろエキジットの時間。チームからはぐれるわけにはいかないので、泳ぎを緩め、両側からバラクーダに抜かされながら、魚群が去って行くのを見送り、ダイビング終了。

4本目:タチャイピナクル

 4本目も同じポイント。通常、このクルーズではサンセットダイブで、夕暮れに活性化した捕食者達の捕食シーンを狙って入ることが多いのだが、ここは景観も美しく、あまり暗いと魚群と景観とのコラボも撮影しにくいので、日が沈む前にエキジットできるくらいになるように、リクエストしてみた。

 エントリー。先ほどと変わらず透明度良し。日は傾いてきたのでやや暗くなった。酸素濃度の高い、ナイトロックスタンクの利点を生かして、ソフトコーラルが元気に残っている、深めの深度をとって散策していく。深いところは人が来る機会が相対的に減るので荒らされにくく、カラフルなソフトコールも無事なのかもしれない。気になるところを撮影。最後に浅い方でカスミアジの編隊が、捕食で縦横無尽に泳ぎ回るのを見学して終了。

宴会

 夕食後は宴会。日本人チームで集まって、わいわい楽しく。日中のダイビングのことやら、何やらで盛り上がった。ダイバーは社交的でお酒が好きな人が多く、宴会も盛り上がる。他の国の人とも話す。しかし、だいたい最後まで起きているのは日本人チームだ。2番目が韓国人チーム。お酒を飲むスタイルのちがいなのかな。欧米の人はダイビングクルーズあまり遅くまで起きていることが少ない印象だ。今回のクルーズは特にみんな社交的で仲良くなれたのがよかった。人と人の距離が近いのもダイビングクルーズの魅力だ。

 宴会の間に、船はさらに北上し、スリン諸島に到着。日付が変わる頃、誰ともなく、解散。部屋に帰り就寝。明日はこのクルーズのメインイベントといっても過言でない、リチュリューロックを潜る。

4日目に続く

お世話になったダイビングサービス:ビッグブルーダイビング

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