セイルロック:圧倒的魚群ときどきジンベエザメの海。

タイ
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English version is here

タイ、マレー半島の東側に広がるタイ湾を代表するダイビングポイントであるセイルロック。タイの西の横綱がアンダマン海のリチェリューロックなら、東の横綱はセイルロックと言っていいでしょう。

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セイルロックはどこにある?

タイで人気のリゾート、サムイ島、バックパッカーとフルムーンパーティの島、パンガン島、ダイバーとバックパッカーの島タオ島はタイ南部タイ湾沖に南北に並んでいて、お互いの島同士はフェリーで1,2時間の距離です。セイルロックはタオ島とパンガン島のほぼ中間地点にある岩です。

タイ湾の特徴

タイ湾は東南アジアの他の海と比べるとかなり特徴的な海です。一番の特徴は、大きな半島に挟まれた浅い海のため、大きな海流が流れ込まない閉鎖された環境であることです。また、その地形は潮の満ち引きにも影響し、通常1日2回あることが普通な潮の満ち引きが1日1回しかなく、流れが穏やかなことも特徴です。閉鎖環境で、他の海の隔離されていることから、同じ種が爆発的に増えることが多いという生態系になります。魚やその他の生物の種類の数で言えば、他の地域と比べると少ない気がしますが、その代わり、ひとつひとつの魚群がかなり大きくなります。セイルロックは海底30mから海面まで岩がそびえ立っています。周りに他の岩礁がなく、周囲の魚がすべてこの岩に集まってきます。その爆発的な魚群がセイルロックにぎゅっと凝縮して群れることになり、圧倒的な景観が生まれるのです。

セイルロックのみどころ

ギンガメアジの群れ

まず、セイルロックで素晴らしいのはなんと言ってもギンガメアジの群れです。タイミングによっては濁った深場に行ってしまったりしますが、行けば、だいたい会うことができます。群れの密度が濃すぎて、周りが何も見えなくなってしまうこともしばしばです。迫力がすごいです。

ツバメウオ

ツバメウオの群れも圧巻です。時に100匹、300匹と行った単位で群れます。20匹程度の群れはわりとよく見かけますが、見える範囲全部を覆うツバメウオの群れはなかなか他の海ではみられません。年によって規模が小さかったり、タイミングによって大きな群れが岩から離れてしまうことがありますので、見るのには少しだけ運が要ります。

シェベロンバラクーダとピックハンドルバラクーダ

セイルロックでは主にいくつかのバラクーダが見られます。ぐちゃっと群れているのがシェベロンバラクーダ。だいたい全長50cmから80cmぐらいの中型のバラクーダです。

ピックハンドルバラクーダ。こちらは大型のバラクーダで1mを越えます。黄色の尾びれが特徴です。こちらは、ばらけて泳ぐ傾向があって、あまり大きな群れにはなりませんが、1尾1尾が大きく迫力があります。

とにかく群れ

上に挙げた以外にも、とにかく魚影が濃いです。テルメアジやキンセンフエダイ、中層を泳ぐタカサゴ群、どれも1つ1つの魚影の濃さに驚かされます。

ジンベエザメ

びっくりするような魚影の濃さに加えて、この海を特別なものにしているのが、ジンベエザメです。モルディブや、ガラパゴス諸島のような確率とはいきませんが、比較的日本から行きやすい場所で、それなりの確率で餌付けされていないジンベエザメを見られるというのは、なかなかないと思われます。マレー半島の反対側のアンダマン海でも見られますが、個人的印象ではセイルロック、タオ島周辺の方がチャンスが多いと思います。そして、セイルロックのジンベエザメが特別なのは、その圧倒的な魚影の中にジンベエザメが登場することです。ギンガメアジの群れとジンベエザメ、ツバメウオの群れとジンベエザメ、そのコラボが見られた時の興奮は言い表せません。

ジンベエザメの確率があがるのは3月から5月と8月から9月かなと思います。まさにゴールデンウィークとお盆。そういう意味でも日本人向きのジンベエザメポイントです。

残念ながら、セイルロックでのジンベイザメの自前写真がありませんので、代わりに同じ海域のチュンポンピナクルでのジンベエザメを。あと現地のショップさんのページに素晴らしい写真がありますのでそちらのリンクを掲載しておきます。

チムニー

セイルロックは地形でも遊べます。北西の壁にチムニーと呼ばれる縦穴が開いていて、一番下は20mぐらい、15mと8mのところに入り口があります。下から見上げた時の光がとてもきれいです。

トラベルインフォメーション

行き方

セイルロックで潜るには、サムイ島からスピードボートのデイトリップに参加するか、タオ島からのデイトリップ船を利用するのが一般的です。パンガン島からのサービスもあります。サムイ島からのスピードボートではセイルロックまで約1時間です。一般的な行程では朝出発し、セイルロックで2本潜ってサムイ島に戻ります。タオ島からは大型のダイビング船で1時間半から2時間でセイルロックです。2本潜り、船上で昼食をとり、さらにサウスウエストピナクルやタオ島周辺で1本潜り、島に戻るのが一般的です。

サムイ島へは飛行機をバンコクで乗り継いで入るのが最も簡単だと思います。2019年1月現在、バンコクからサムイ島へはタイ国際航空やバンコクエアウェイズの便があります。便は多いです。他の経由としてはシンガポールからの乗り継ぎと香港からの乗り継ぎが可能ですが便はバンコク経由よりも限られます。バスや鉄道でチュンポンやスラタニまで移動し船という手もありますが時間がかかりますので特別な理由がなければ飛行機がお勧めです。

タオ島へは、サムイ島まで飛行機で行き、そこから船で2時間ほどです。主にロンプラヤーとシートランディスカバリーの2社が運行しています。個人的にはシートランディスカバリーの方が港が空港から近く、船も空いているのでお気に入りです。またチュンポンまで鉄道かバス、チュンポンから船という方法もあります。こちらは行きはあまりメリットがありませんが、帰りは最終日午前ぎりぎりまでダイビングをして午後の船でチュンポンに移動、そこからバスでバンコクに移動し、早朝の便で日本に帰るというのが可能です。同じ帰国日で普通にサムイ島経由で帰るよりも2本多く潜ることができます。短い時間でめいっぱいダイビングしたいダイビング狂いな人向きの方法です笑。

シーズン

この地域のシーズンは2月から10月までです。11月後半から1月は雨期にあたり、あまり天気がよくありません。一般的なタイの雨期、乾期とずれています。ベストシーズンの間はあまり時期によって見られる生物にちがいはありませんが、ジンベエザメは3月から5月と8月から10月に確率が上がるといわれています。

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