パプアニューギニア、ダイビングの旅in ケビエン:4日目 海にたたずむ零式観測機

ケビエン
スポンサーリンク

1日目はこちら

2日目はこちら

3日目はこちら

5日目はこちら

6日目はこちら

スポンサーリンク

朝食

6:00起床。食パン、ソーセージ、ベーコン、オムレツをオーダー。毎日同じものを食べてしまう。寝ぼけているので、またもや食べてからの撮影。

1本目:ディープピート Deep Pete

出航は前日と同様に8:30。今日は今までとはちがって、朝から北に向かう。ケビエンに来たら是非1度は潜っておきたいというポイントがある。しかし水深40m近くと深いので、朝1本目にしか潜れないのだ。

零式

ポイントの名前はディープピート。ピートをアルファベットで書くとPete。これは第2次世界大戦で使われた日本の零式観測機のこと。連合国側のコードネームがPETEだ。

最初、零式と名前がついていたので、有名なゼロ戦のことかなと思っていたが、調べてみると違った。ゼロ戦、もしくは連合国側でZero fighterやZero Zeroと呼ばれていた飛行機は、零式艦上戦闘機のことで別の飛行機だ。連合国コードネームはZEKE(ジーク)。

ちなみにゼロ戦もパプアニューギニアの別の場所に沈んでいて、ダイビングで見に行くことができる。行ってきた話はこちら。

今まで知らなかったが、零式と名のつく飛行機はたくさんあることがわかった。零式とは当時の大日本帝国海軍が1940年に配備した装備につけられた型式の名前。なぜ「零」なのかというと、この年が皇紀2600年だったからだ。ちなみに陸軍ではこの年配備された装備の型式を一〇〇式(百式)と名付けていた。

実際の零式観測機の写真がこちら。Wikipediaにあったものを引用させてもらった。ゼロ戦と違ってこの飛行機は主翼が上下2枚の複葉機。主に水上偵察機として使われていたが、空中戦もしばしばあったとのことだ。

海の中へ

出航してほどなくポイントに到着。深さ40m近い、地形的には何の目印もない砂地にぽつんと飛行機が沈んでいる。いくら透明度がよくても水面から機体が確認できないことが多いだろう。そのためブイと潜行ロープが設置されている。しかし、そのブイも水面には出ておらず(浮いていると漁師が持って行ってしまう笑)、水面下数メートルのところにあるのでGPSが頼りだ。難なくブイが見つかり、ボートとブイをつなぐ。

準備をしてエントリー。浅場はやや浮遊物が多く少し流れがあったが、透明度はそれほど悪くない。ロープを伝って潜行していくと浮遊物も減っていって、よいコンディションとなった。ほどなく機体が確認でき、流れも水面より弱いので一直線に機体に向かうことにした。40m近い水深では、体にたまる窒素の関係で10分弱しか安全にとどまることができない。時間は貴重だ。

機体は裏返しになっている。翼は複葉の下側の翼で、そこから飛び出ているのはフロートがついていた支柱だ。飛行機の左側後ろから近づいていく。

機体後方に回り込んで行く。尾翼のついた後方部分が分離して転がっている。

右の翼先端部分。ソフトコーラルと魚群が絵になる。

機体右斜め前から。だいたい同じ角度なのでwikipediaの写真とあわせてみる。魚眼レンズを使っているので水中写真の方が翼が大きく見えるが、プロペラ、機体から飛び出るフロートの支柱、左右の翼から出るフロートの支柱が対応しているのがわかる。右の翼のフロートはついたままに見えるが、機体メインと左の翼のフロートは失われている。

正面をとらえる。

ここで時間いっぱいとなったので、ゆっくり浮上。最大水深38.8m、潜水時間23分のダイビングとなった。

ポイントマップを眺めると、ケビエンには他にも飛行機が沈んでいると思われる、Peteやfloat planeの名のつくポイントや、日本の船の沈船ポイントかなと思われる”maru”と名のつくポイントがある。沈船ダイビングや、歴史、戦史に興味ある人なら、いくつもまわってみるのもありかもしれない。ただ、ここDeep peteはリセナン島からもケビエンの町からも近く、アクセスしやすい。外洋に面していて透明度もよいことが多く、周りに何もない砂地にぽつんと沈んでいて、機体にたくさんの魚が群れる。沈船ダイビングに景観の美しさも求めるなら、このポイントを選ぶのがおすすめと思う。

以下のページによるとDeep peteは2004年に発見されたようだ。このページの写真と比べると今回の写真ではしっぽがもげているなど少し分解してきているのがわかる。長い時間の流れが感じられて感慨深い。

301 Moved Permanently

2本目:エチューカパッチ Echuca patch

町の市場の岸で水面休息。

2本目はエチューカパッチ。今回の旅、2回目。2回目なのでだいたい雰囲気はわかっている。前回いまいちだったレンズの選択もばっちりだ。

エントリー。透明度よし。ブイを伝って潜行し、沈船へ。魚もあまりおらずそれほど心惹かれる感じはなかったので、次に進む。

特徴的な海底の風景にピックハンドルバラクーダの群れが現れる。

少し水深を浅くし、リーフトップの美しいハードコーラルを堪能しながら進む。枝サンゴを無数の魚が覆っている。みな同じ向きなのがいい。

終盤、黄色のソフトコーラル地帯に、バラクーダの群れが登場。今度はブラックフィンバラクーダだった。

安全停止に入ろうかという浮上しかけたタイミングで、マダラトビエイ登場。もうエアーが少なかったので近づくのは断念した。

安全停止中はずっと好奇心旺盛なツバメウオ達と戯れて遊んだ。満足の1本。

昼食

宿に戻る。1本目が短かっただけに早く戻れた。ダイビングセンターでオーナーのアンジーさんに遭遇。ディープピート行ってきたよと言ったら、「あ、それで早かったのか。納得」と。次いで「明日から朝30分早く出航するのどう?あなたたち、ビーチで4本目潜るから、昼食も少し早くして午後も早めに出発するのがいいと思う。今日も午後早めにしましょう。」とのこと。確かにその方がゆったりできるのでいいと言う話になって少しスケジュールが変更になった。

昼食はサテ(インドネシアの焼き鳥)とライスか、魚のソテーとフレンチフライ。僕はサテをチョイスした。もちろんサテはおかわり。

3本目:ダニーズボミー Danny’s Bommie

13:45出航。アルバトロスパッセージに向かう。しかし、ボートでチャネルを行く間ずっと潮の流れは内海から外海に向かって強く流れている。これでは透明度も悪いし、魚もポイントに凝縮してくることもないだろうと予測。

ポイントに到着。やはり、水面から見てもアルバトロスパッセージは透明度5mもないぐらい。流れも外への強い流れで、予定変更となった。潜るポイントはその隣のダニーズボミーとなった。互いに行き来できるぐらいの近さだが、内海からの流れの陰になるため、こちらのポイントの方が透明度がよい。ボミーとは水面下にある岩礁のこと。ここのトップから入って、潜行。途中アルバトロスパッセージ方面へ向かい、また戻ってくる計画だ。

エントリー。いきなり岩礁の頂上から若いツバメウオが出迎えてくれた。水面近くは、内海からの濁った水の影響で透明度が悪いが、深いほど青い水になり、ダイビングには全く問題がなさそうだ。

深いところに、ツバメウオを成魚の大きな群れを見つけた。なぜか成魚の群れはシャイで一定の距離以上は近寄らせてもらえなかった。

一旦ボミーを離れてアルバトロスパッセージ方面に移動するも、やっぱり透明度もがっくり落ちて、魚も少なく、みどころなし。早々に引き返す。

ボミーに戻ると透明度も回復。やはり透明度のいい海が一番だ笑

後はひたすらツバメウオと戯れて遊ぶ。ツバメウオまみれの55分を過ごしエキジットした。

夕食

島に戻る。出航を早めたので、かなり時間がある。今日は部屋でゆっくり過ごすことにしたので、4本目のビーチダイビングはパス。早々とシャワーを浴びて、くつろぐ。いつも極限までダイビングを詰め込んでしまうが、こういう日があってもよい。ベッドで軽くうとうとしてから、今日の写真の整理。あらかた終わったところで夕食の時間となった。

レストランへ行くと、アンジーさんが「今日も新鮮なMackerelが手に入ったのよ」と刺身を作ってくれた。お酒のつまみには最高だ。夕食は酢豚的なものの、メインが魚か鶏肉になったもの。日本人にはとてもなじみのある味。デザートはプリン。

そして、いつものようにここちよく酔い、一日が終わる。昨日ちょっとだけ水没したカメラが心配だったが、今日はトラブルなく終了し安堵のうちに眠りについた。

コメント