パプアニューギニア、キンベ湾ダイビング2019: ダイビング編

キンベ
スポンサーリンク
スポンサーリンク

ワイドレンズで潜ったポイント:テンションが上がったランキング

その日の海の状況でいくらでも変わってしまうし、何が好きかでも変わってしまうが、自分の中でよかった順に、潜ったポイント並べて印象を書いてみたいと思う。

Bradford Shoal

2日目1本目、4日目1本目。このトリップで一番熱いポイントだった。リゾートから1時間ぐらいスピードボードを走らせる。トップが18mの隠れ根。深い根だが、透明度がよく、水面からすぐに根を確認することができた。それだけでも透明度いいことはわかるのだが、このときは水深5mぐらいにやや濁りがあり、そこを抜けると透明度は30m以上。ポイントは比較的コンパクトで、全貌がほとんど確認できるような状態だった。

山が重なった形で頂上は2つ。頂上の間は23、4mぐらい。山のスロープは比較的急だが、一方は35mぐらいでいったんステージのように平らになっているところがあり、ムチヤギとキャベツのような珊瑚がステージを飾っている。

1回目。エントリーして根に近づくと、まずギンガメアジの小隊が出迎えてくれる。山の表面は珊瑚と、丈の低いイソギンチャクのような、なにかに覆われている。これはガイドさんによると触ると刺されて痛いので注意が必要だ。頂上をなめるように泳ぎ、一方の裾に近づいていく。すると裾のやや深いところから35mのステージのところにブラックフィンバラクーダの大軍が渦を巻いて泳いでいた。深場に追い込まないように、大軍から少し離れた脇を泳ぎ、バラクーダが自分と山挟まれるような位置になるように回り込むことを心がけながらみんなでアプローチ。バラクーダは山を登っていった。ツバメウオや珊瑚に戯れるアカネハナゴイやツノダシとバラクーダトルネードとのコラボレーションがとてもダイナミックで感動的だ。水面近くまでトルネードが打ち上がり、一気に駆け下りてくるのも圧巻だった。

長く遊んでいたいポイントだが、トップが18mと深いポイントなので、そう言ってもいられない。窒素のたまり具合をみてトップを離れて浮上。水深10mぐらいでホバリングしながら付近を泳ぐ15枚ぐらいのツバメウオと戯れて遊んだ。流れは5mよりも浅い表層であったがそれ以深はほとんどなく、根から浮いていても流されることなく位置をキープするのは簡単だった。

2回目も同様のアプローチ。チャンスがあれば35mのステージに広がるサンゴ、ムチヤギとバラクーダのコラボレーションを撮れたらいいなと思っていた。最初に深度を18mぐらいに保ちながら、水深35mにあるステージの外側を目指す。バラクーダの群れがステージの上でトルネードしているのを確認した後、一気にステージの外側を急降下する。体にたまる窒素のことを考えると、ダイビングの最初の短時間にしか狙えない。今回はその絵にしぼって挑んだ。ステージの横からバラクーダを見上げるような形でアプローチ。徐々にバラクーダは浮上しある程度のところまで行くと一気にステージまで駆け下りていった。今回はメインの山の方には来てくれず。水深を浅くしてツバメウオを戯れて終了。

1回目も2回目もイルカの鳴き声が聞こえていたので、運がよければイルカにも会えるポイントなのかもしれない。

Otto’s point

5日目1本目。キンベ湾の真ん中にぽつんと出現する大きな珊瑚礁Otto’s reefの北東のコーナーのポイント。ボートがリーフに着いてすぐに、水面から元気なサンゴがぎっしりリーフを埋め尽くしているのがわかり、テンションが上がる。エントリー。まずは15-20mぐらいの急なスロープと壁に沿って移動していく。とにかく上から下までサンゴが元気でびっしりしている。リーフのコーナーでもあるので、流れが入れば、沖合に大物を期待することもできるが、このときは流れがほとんどなく、のんびりとしたダイビングになった。途中20m付近で網のような海綿?が独特の景観をつくっていて面白いところがあったのでしばし撮影。時間が許す限り進み、Uターン.深度を浅くし引きかすコースをとった。浅場の元気なサンゴ達の光景に癒やされながらボートに戻っていった。

Annesophie’s reef

4日目2本目。半島の先端近く。ここはとても面白い。トップ水深3mの大きな岩でできたリーフを中心に20-25mの砂地が取り囲む地形。リーフそのものも海綿、ウミウチワ、珊瑚が、いたる所に生えていて面白く、その周りの砂地にも、オブジェのようにいくつも、大きな海綿や、ウミウチワ、岩や珊瑚が配置されていて、屋外美術館のようだった。そこに時折バラクーダやギンガメアジが空から降ってくる。ここも浅場の透明度が残念だったが季節と天候による運なので仕方がない。おもしろさを十分に伝えられるように撮れたかというと力量足りず、消化不良に終わってしまった感があるので、是非また潜ってチャレンジしたいと思う。

Joelle’s Reef

初日1本目。透明度よし。トップが16mのこぢんまりとした隠れ根。周りがやや急なスロープになって40mぐらいまで落ちていく。まず、スロープを20mから27mの深さで1周。元気なサンゴに覆われている。カスミチョウチョウウオや、紫のハナダイが群れて美しい。途中で沖側にブラックフィンバラクーダの群れが登場したのでしばらく戯れる。スロープに砂とガレの棚のようになっているところがあり、そこにアケボノハゼがいた。深度は24m。ワイドレンズだったので見るだけにしておいた。スロープを1周したあとは各自、思い思いのところで遊んだ。透明度がよかったので、トップがそれほど広くないのでどこにいてもお互いを確認することができた。トップは魚たちの庭園といった雰囲気で撮影が楽しかった。深いがこぢんまりとしているので、すべて見て回ってもエアの消費は少なかった。トップでもそれなりの深さがあるので窒素のたまりに注意が必要なポイントだと思う。ナイトロックスがあればさらに楽しめそうなポイントだ。

North Ema

2日目2本目。キンベ湾に浮かぶリーフのポイント。浅場のハードコーラルが元気で大変美しい。エントリーして最初は、壁を横に見ながら進んで行く。しばらく行くとホワイトボンネット・アネモネフィッシュという、珍しいクマノミを観察できる場所があった。

壁をしばらく行くと、壁からスロープに地形が変化した。スロープ深場と浅場は珊瑚がぎっしりで美しい。なぜか真ん中は広範囲に珊瑚が死んでしまっていたエリアがあった。何かあったのだろうか?リーフの先端は10-15mぐらいの棚からすとんと落ちていく地形で、ここは珊瑚と黒い枝状の海綿が珊瑚の間からにょきにょきと生えている面白い光景が見られた。イソギンチャクも多くあちらこちらにクマノミの仲間を見つけることができた。

エッジを周り込んで再びスロープの浅場に戻る。枝珊瑚ぎっしりの美しいエリアだ。残念ながら、今回のダイビング中ずっと遭遇した10m前後のサーモクラインと5mの白く霞んだ海水の層がここにもあり、撮影としてはポイントの実力を100%発揮という感じにはならなかったが十分に癒やされた。

最後はリーフの一番浅いところを行く。多少のかすみはあるが、元気いっぱいの珊瑚が光に輝いていた。珊瑚の間にイソギンチャクが生えており、そこにクマノミの仲間がたくさん泳いでいる場所があった。ここでは枝珊瑚の中をたくさんのクマノミが泳ぐ珍しい絵が撮れるのでお勧めだ。ワイドレンズで面白く撮るには近づく必要があったが、近づくとクマノミが引っ込んでしまいなかなか難しい。マクロでやや離れて撮ってもいいかもしれない。

Zero

2日目3本目。零戦の沈む一度は潜っておきたいポイント。ここに沈んだ零戦は打ち落とされたのではなく、燃料切れで不時着したとのことだ。操縦士は助かったそうだ。岸まで20-30m。岸と言ってもビーチはなく、いきなりジャングルの小山が立ち上がる地形。山にぶつからず、かつ岸から離れすぎず、絶妙な位置に着水したんだなと思った。

岸に近いため近く透明度はそれほどよくなかった。雨期から乾期への移行期で訪れたのでそれが影響しているのかもしれない。実際前々日、前日と雲は多めでときどきシャワーがあった。ボートの係留ブイから零戦までは少し離れているので、透明度が悪いときはガイドさんを見失わないように注意が必要。エントリー前にコンパスで方向を確認しておいてもいいかもしれない。

零戦は透明度に対してやや大きすぎたので全体像をクリアに撮るのは難しかった。零戦の奥、さらに離れたところに、珊瑚の根があって零戦の後はそちらを楽しんでエキジット。

Inglis shoal

3日目1本目。トップが14mぐらいのこぢんまりとした小山のような地形。25mぐらいまでは頂上から円錐形の用に360度スロープになっていて、それより深いところはウォールですとんと落ちている。エントリーして20-25mぐらいの深度をとって一周した。エントリー直後にホワイトチップシャークに出会った。その後は少し深度を上げてのんびりダイビング。時折中層を泳ぐタカサゴ類がポイントをなめるように行進するのを眺める。それでもポイントを2周ぐらいはした。小さいので3,4周できてしまうかもしれない。終始平和な感じでのんびりできた。流れがあるときは、潮当たりに活性化した魚が群れると、全くちがう景観になるのかもしれない。

Kirstyjayne’s reef

3日目2本目。半島にやや近いリーフのポイント。南北に細長い2つのリーフ。南側のリーフの壁からスタートして、リーフ間の谷のようなところに到達。この谷から2番目のリーフへのスロープにムチヤギがたくさん生えており、面白い景観だった。2番目のリーフは珊瑚は死んでしまっているところが多く、細長い地味なソフトコーラルのような生物がにょきにょきと生えている奇妙な景色で、これはこれで味があると思った。景色だけだと寂しい気味の悪い荒れ野みたいなってしまうので、もう少しワイドレンズに写る魚がいればと感じた。

最初のリーフに戻る。こちらの浅場はハードコーラルが主体。カラフルなハナダイとの元気な珊瑚のコラボが見られるところもあるが、死んでしまっている珊瑚も目に付くのが気になった。今回、やはり一番いいところをサーモクラインと濁りに邪魔されてしまったのは、運がなかったと思う。次はマクロレンズで行ってみようと思う。

JJ’s reef

5日目2本目。今回の旅最後の1本。半島に近いところにある小山のようなリーフで360度スロープになっている。エントリー。透明度悪し。15mより深いところは透明度が回復。岩肌に生えた海綿やウミウチワの作る独特な景観を楽しむ。しかし、サンゴは死んでしまっているものが目立ち、そのせいか、景観に絡んで来る魚があまりおらず少し寂しかった。後半、浅場に移っていった。一部元気な枝サンゴもあったが、やはり残念ながら広範囲に死んでしまっているサンゴが目に入ってきてしまう。元気なサンゴのリーフのポイントは他にたくさんあるので、次に潜るときはマクロレンズで面白い小物探しをした方が面白そうだ。

マクロレンズで潜ったポイント

Restorf Island

初日3本目。昼食でビーチに停泊した島でそのまま潜った。透明度は10-15mぐらい。浅場は素晴らしいハードコーラルが広がる。スロープを10mぐらいまで降りると砂地。砂地を挟んで大きめの根があり、ちいさな生き物たちを観察。次いで岸の側に戻りリーフの壁を10-15ぐらいの深さで進んで行くと、砂地に小さな根がいくつもある光景が広がる。ハードコーラル、ソフトコーラル、海綿が絡み合って、面白い造形をいくつも作り出していてとても面白かった。そこにからむ小魚も多く、マクロ撮影はかなり面白い。タイのタオ島の次にイバラカンザシが多い印象で、カエルウオや小さなハゼも多かった。カエルウオのイバラカンザシ乗りを見つけ運良く撮ることができた。

Susans’ Reef

初日2本目。トップが水深1mぐらいでウォールとスロープに囲まれたリーフ。エントリー。なぜか表層5mぐらいに濁りのある海水が流れ、その下に一段温かい海水があり水深7-10mぐらいにサーモクラインが入り、もやもやのせいで濁っていないのに視界がぼやける。その下はまた水温が下がり透明度は15-20mぐらい。面白い三層構造の海水だった。

壁沿いを10mから15mの水深で進む。ハードコーラルが美しい。リーフ南端、水底近く25mぐらいの壁にヤギが付いており、そのヤギにデニスピグミーシーホースが2匹いた。リーフの南端の水底は砂地になっていて、ちょうど着底して立位で撮影できるので、とても撮影しやすかった。砂地のところどころに生えているヤギや珊瑚の景観も面白い。南端の壁水深15mから20mぐらいのところに生えている赤いムチヤギの群生が素晴らしかった。ワイドで潜って撮影するのも面白そうだった。南端を回り込んで水深を浅くしていく。浅場は珊瑚、イソギンチャク、海綿が所狭しと生えていて、小さな生物たちも豊富。今回浅場は表層の濁りとサーモクラインに阻まれて、100%の実力発揮という感じにはならなかったが、海況が良ければ、かなり素敵な光景が広がるにちがいないポイントと思われた。

Christine’s reef

3日目3本目。昼食休憩からこのリーフに係留していたので、潜る前にシュノーケルでリーフを1周して浅場の景観を見てみた。その結果浅場の珊瑚をワイドで撮るのはNorth Emaに及ばないかなという感じだったのでマクロレンズに交換して潜ることにした。しばらくリーフの壁を進む。リーフの切れ目で深場に出た。ここはアケボノハゼがいそうだなぁと思ったので探して見るも空振り。探している間に少し離れたところをグレーリーフシャークが通り過ぎて行った。環境がバラエティに富んでいるので、マクロ生物得意な人はいろいろ見つけられるかもしれないなぁという感じだった。深場をまわってリーフを回り込んだ。リングジョーフィッシュをたくさん発見。撮影を試みたがストロボが強すぎて、辺り一帯すべて引っ込めてしまう失態を犯す。深場はここであきらめて壁に戻る。回り込んでボートに近づくにつれてマクロ撮影で背景がきれいになりそうな、面白いところが増えた。最後はエキジットぎりぎりまで撮影して終了。

Tuare island

4日目3本目。半島先端近くの島。昼食休みにスノーケルで見てみると、島周りのハードコーラルがとても美しかった。エントリーして島とは反対方向へ。ほどなく、根に到着。水底10mぐらいの浅場の根。根に沿って泳ぐ。サンゴも元気でマクロ撮影が面白い。今回は浅場の透明が良くなかったので、はぐれやすい。粘るのはほどほどにして、ガイドさんについていく。わりと細長く続く根で、根の先端から少し水底を行くと砂地がなくなり、珊瑚やイソギンチャクの生える少し急なスロープに景観が変わった。水深15mより下は透明度がよくなり、ここも面白かった。浅場の透明度が良くないときはこちらで時間を使った方がいいかもしれない。マクロ撮影のネタに困らない場所なので、また行きたい

番外編:ドルフィンウォッチング

ポイント移動でイルカが見つかると、ドルフィンウォッチングをしてくれるのも魅力だ。ぼーとでゆっくりアプローチして、イルカが遊んでくれそうならゆっくりとボートを動かしてボートの周りをイルカが泳いでくれるのを見て楽しむ。ボートの上からの観察はもちろんだが、ボートの脇にネットを張ってくれたので、スノーケルを装着してネットに足をかけて、水中を泳ぎ回るイルカを観察できた。スノーケルも持って行った方がよい。
最終日にはオキゴンドウが寝ているところも発見したが、警戒心が強くてなかなか近寄ることはできなかった。まれにシャチも出る海なので水面休息もあなどれない。

コメント