セノーテダイビングの旅:3日目。アンヘリータ、アクトゥン・ハ、とトゥルム遺跡

セノーテ
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セノーテとはメキシコのユカタン半島にある、地下水のたまった天然の泉、井戸のこと。その泉は水没した洞窟につながっている。石灰岩の大地で濾過された地下水は透明度100mと言われるほど透明だ。冒険心をくすぐる水没した鍾乳洞、天井の穴から降り注ぐ光のカーテンなど、美しいみどころが満載のダイバーあこがれのダイビングポイント。今回はダイビングに4日間を使って8つのセノーテを潜る計画だ。

1日目の様子はこちら

2日目の様子はこちら

4日目の様子はこちら。

5日目陸上観光の様子はこちら。

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3日目の朝は少し遠くのセノーテまで行くため、いつもより30分早く7:30に集合。ホテルのレストランは7:30オープンなので、この日は途中でコンビニエンスストアーによって朝食を買い、ピックアップトラックの中で食べた。

アンヘリータ(Angelita)

本日の1本目はアンヘリータ。angelita。スペイン語で、小さな天使、または転じて、亡くなってしまった小さな女の子、という意味のセノーテだ。まずは入り口を見てからブリーフィング。

うっそうとしたジャングルの中の濃い緑のセノーテ。今までのセノーテとちがって、透明度は高くない。太陽の光も木々に遮られてあまり入ってこないので、少し薄暗い。セノーテの入り口は蚊が多いのでブリーフィングは駐車場に戻って聞く。このセノーテも構造は単純で、ファンダイバーのいける範囲は1つの大きな縦穴だ。

早速エントリー。表面の水の色が緑なことから予想されたとおり、透明度は悪い。5mぐらいか。しかし10mも潜ると急に視界が開けてくる。暗いが透明度はよくなり、やがて底が見えてくる。底には硫化水素が白い海の様な層を作っていて、中央には島が浮かんでいるようだ。そこにセノーテの上のジャングルから落ちてきただろう木の枝がオブジェのように横たわっている。周りには白い海から直接枝がつきだしているところもある。薄暗い静寂の世界。命の終わるところ、と言ったイメージの場所に感じられた。

非常に暗いので写真は難しかったが、イメージのわきやすい場所で撮影に没頭できる。感じ方次第でいろいろな撮り方ができそうなセノーテだと思う。

そのうち、上から葉っぱが落ちてくることに気がついた。葉っぱがアンヘリータの中で終わる命のようにも、アンヘリータの中で唯一光る命のようにもみえた。

水深がやや深いセノーテのため、ボトムタイムはそれほどない。最後にガイドさんが、枝に止まっているカニを教えてくれた。アンヘリータの底で唯一見つけた動物だ。葉っぱに注目した時とは、またちがうセノーテに見えたのが面白かった。

潜水時間32分。最大水深28.5m。水温25.3度

アクトゥン・ハ(Aktun Ha) / カーウォッシュ(Car wash)

2本目はアクトゥン・ハ。マヤ語で洞窟の水という意味。昔ここで洗車をしていたと言うことから別名カーウォッシュとも呼ばれるセノーテ。このセノーテは洞窟もあるが、オープンエリアの美しさが有名だ。アンヘリータとうって変わって透明度の高い、青い水。

エントリー。草原のようなオープンエリアを抜けて、まずは洞窟エリアを一通り探索する。
開口部の光が美しい。

オープンエリアへ。ここの一番の特徴は岸に近いところに生えている、蓮のような植物だ。葉が様々に色づき、セノーテに多彩な色彩を与えている。落木や、水面を通して見える木々もとてもいい雰囲気。残念ながら、一番カラフルでいい場所は保護のためか、ロープが張ってあり、せっかくの景観にちょっとけちがついていたが、そうでもしないとシュノーケラーもダイバーも入り込んで、ぼろぼろになってしまうのかなとも思う。

このセノーテにはときどきワニが出て、蓮の葉とのコラボが面白いと聞いていたので、その出現を待ったが、この日は現れず。代わりにカメが来てくれたので、残りの時間、ずっと被写体になってもらった。一緒に潜ったダイバーさんは、プロの水中写真家さん。このセノーテのオープンエリアは水深が浅いこともあって、いくらでも潜っていられる。お互い写真が撮りたくてきていて、かつ他に一緒に潜る普通のファンダイバーがいない。他の人が飽きてしまうのを気にかける必要がないので、気が済むまでとことん撮影に時間が使えたのがよかった。

潜水時間79分、最大水深15.1m。水温25.3度。

トゥルム遺跡

この日のセノーテはプラヤデルカルメンから南に車を走らせ、トゥルムという町を越えたところにある。トゥルムは、カリブ海の青い海と白い砂浜を臨む場所にある遺跡が有名。カンクンの旅行パンフレットのオプショナルツアーには、チチェンイツァー遺跡とともに必ずといっていいほど載っている場所だ。10年以上前、まだダイビングもやっていなければ、一眼レフも持っていなかったころ、一度この地を訪れたことがある。一眼レフで撮影するようになって、もう一度撮り直したいと思っていた。

その旨、ショップの方に伝えていたところ、セノーテの帰りに遺跡の前で降ろしてくれることになった。カメラ本体以外の水中撮影機材は、ショップで預かってくれるとのこと。もちろんガイドや、帰りの車などを手配することもできたのだが、その日晴れていなければ、撮影に立ち寄る意味もあまりないので、ガイドはなし、帰りはタクシーかコレクティーボという乗り合いバスに乗ることにした。

遺跡の入り口に続く歩道の入り口で降ろしてもらう。コレクティーボもこの辺りから出ると教えてもらった。なんだか前来たときよりもかなり整備されている様子。前はもっと奥までバスで行けたような気がするが、10分ほどの道をてくてく歩く。あまりの日差しなのでなるべく木陰を選ぶ。50ペソほど払えば、入り口までバスでいけるらしいが、観光地価格に感じたのと、何となく歩きたかったので乗らず。

チケット売り場に到着。なんだか前の記憶にない。遺跡入り口を入りしばらく行くと城壁が見えてきた。城壁に入り口がある。ようやく、見覚えのある景色だ。

城壁をくぐり、敷地に入ると、青い空、緑の芝生、白い遺跡のコントラストでできた景観が広がっている。

あまりに日差しがものすごく、時間もそれほどないので、個々の遺跡を味わうのはなしにして、目的の場所へ向かう。海側に続く丘を登り、海岸の崖の上の道を行く。

カリブ海の碧い海。青い空。白い雲。緑の椰子の木。そのトロピカルな景色に佇む見張り台のような遺跡。

日差しは強いが、この場所は海からの風があり、木陰は心地よい。しばらく景色を眺めながら、何カットか撮ってみる。遺跡内にはイグアナがあちらこちらにみられたが、ここにも絶好の場所にいたので、イグアナと絡めて撮ってみた。

遺跡の敷地内には30分少々いた。1時間ほどで、車を降りた場所まで戻った。帽子も持たず、あまりに日差しが強く、暑いのでこれが限界だ。本格的に見て回るなら日傘があった方がいいと思った。

コレクティーボの乗り場が、教えてもらったところから少し変わっていて、少しだけ戸惑ったが、周りの人に聞いて発見。プラヤデルカルメンまで40ペソ。乗り込んで、人が集まるのを待つ。満員近くにならないと出発しないシステム。20分ぐらい待って出発した。

途中、道すがら人が降りたり乗ったり。今回は終点まで乗っていればいいと聞いていたので、スペイン語リスニングがおぼつかなくても気楽だ。真剣に降り場を間違えないようにしなくていい安心感とトゥルム遺跡での疲労でうとうと。

40分ぐらい乗っていたかなと思うが、無事にプラヤデルカルメンのコレクティーボ発着場に到着した。幸いコレクティーボ乗り場からホテルまでは5分ぐらいの距離。プラヤデルカルメンの街は道が碁盤の目と同じで、通りの番号さえ覚えておけば道に迷うことはまずない。16時ぐらいにホテルに着き、シャワーを浴びて一休みした。

夕食

一休み後、再びショップへ、夕食はショップの近くの広場の脇にあるスペイン料理店へ。

サングリア

ジントニック

タコのガルシア風。これは料理の腕というより、料理のそのもののちがいに起因するのだと思うが昨日食べたPulpo al ajoより断然好みの味かもしれない。Pulpo al ajoやal ajijoも好きではあるのだけど。

イカスミのパエリア。絶品。

ハモンセラーノ

熱心でまじめで元気いっぱいの若いガイドさんと、ご一緒させていただいた水中写真家の方と、撮影話やら、なんやらとわいわい話が盛り上がり、閉店まで、お酒と食事を楽しんだ。まあ、最後の方は飲みすぎていてあまり覚えていないのではあるが笑

帰りにショップに寄って撮影機材一式を回収。ホテルに帰って、機材の手入れだけはしてから、早々に就寝。

4日目につづく。

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