セノーテダイビングの旅:1日目。エデン、タージマハ

セノーテ
スポンサーリンク

セノーテとはメキシコのユカタン半島にある、地下水のたまった天然の泉、井戸のこと。その泉は水没した洞窟につながっている。石灰岩の大地で濾過された地下水は透明度100mと言われるほど透明だ。冒険心をくすぐる水没した鍾乳洞、天井の穴から降り注ぐ光のカーテンなど、美しいみどころが満載のダイバーあこがれのダイビングポイント。今回はダイビングに4日間を使って8つのセノーテを潜る計画だ。

スポンサーリンク

プラヤデルカルメンまでの道

日本からカンクンまでの旅はこちら。

前日夜遅くに、カンクン空港から車で1時間の町。プラヤデルカルメンに到着。この町がセノーテダイビングの拠点だ。カンクン滞在も面白いが、セノーテダイビングがメインなら、セノーテまでの移動時間が短いこちらの町が断然よい。ホテルはダイビングショップから2分ぐらいのHotel Hulkuを前もって予約しておいた。基本、ショップの送迎がないとのことだったので、カメラ機材を持って歩ける距離で、シンプルでお手軽なホテルを選んだ。ホテルは寝るだけ。1人旅なら清潔でさっぱりしていればそれでよい。

カメラのセッティングをして1時に就寝。6時半に起きる。朝焼けの優しい光が心地よかった。朝食はホテルの朝食。オープンエアのいい雰囲気のレストランがなかなかよい。アメリカンブレックファーストにした。卵料理はメキシカンで。朝食は7時半からで、ショップ集合が8時。初日で朝食のシステムがいまいちわかっておらず、注文に手間取ってしまい、かなりぎりぎりに。なんとか間に合うようにホテルを出た。

ダイブショップ、イグアナダイバーズに集合

ショップ到着。

スタッフの方達にご挨拶。フレンドリーかつ、さばさばしている方達でいい感じだ。今日はファンダイバー6人。みんなにご挨拶。ガイドさんは日本人とメキシコ人の2人。運転手さん付き。荷物を積み込み、いざ出発。

エデン (Cenote Jardín del Eden)

本日1本目のセノーテはエデン。スペイン語では「エデンの園」呼ばれているセノーテ。門を入ってしばらくガタゴトと舗装されていない道を行くと、セノーテのエントリーポイントに出る。

まずはエントリー口を見つつブリーフィング。エデンの園の名に恥じない美しいオープンエリア。ここでスノーケルや水遊びができる。

セノーテエデンはオープンなエリアが非常に広く、シュノーケラーにも人気のセノーテだ。撮影などオープンなエリアを独占したいときは朝1番に来るのがいいと思う。まあ、そのあたりはもちろんダイビングショップさんがベストな選択をしてくれているはずなので素直にそのプランにのるのが一番だ。

セノーテダイビングの豆知識

セノーテを潜るのに一番大事なのはルールを守ること。グループで潜るときは、ケーブダイビングの資格を持ったガイドさんを先頭にして1列になり、隊列を乱さないのが原則。そして着底禁止。壁や床に触れない。タンクは行きに最初の3分の1を使ったら、引き返す。帰りに3分の1を使い、残りの3分の1は予備だ。今回お世話になったショップでは最初に210bar入れてもらえるので、140barになったらガイドさんに申告する。

必須のスキルは中性浮力。フィンや手を使わずに、水中のその場に浮いたり沈んだりせず留まれなければならない。体が沈むからといって下向きにフィンキックすれば底の泥を巻き上げて辺りが見えなくなってしまう。海とちがって水の流れがほとんどないので一度巻き上がって汚れた水はその場に長く留まる。視界が悪くなるのは第一に危険だし、せっかくの景観が台無しだ。

また、フィンキックはバタ足ではなく、カエル足キックを使うのが正しい。バタ足では水底に向かう水流ができてしまうのでやはり底が近いときは泥を巻き上げてしまうのだ。

ちなみにダイビングの世界では、カエル足キックのことをあおり足とも言うのだが、元水泳部から言わせると、カエル足キックとあおり足は別物。水泳の世界では正しい平泳ぎのキック≒カエル足、間違った足首の使い方をした平泳ぎのキック=あおり足だ。ダイビングの世界ではカエル足とあおり足はほぼ同じで、正しい平泳ぎのキックの意味合いで使われている。まあどうでもいいことだが、元水泳部にとっては、少しものを申したくなるのだ笑。

そして水の中へ

と言うことで、早速準備。ウエットを着て器材を背負う。短い階段を降りて、エントリーのプラットホームへ。エントリー。少しひやっとする水が心地よい。25度ぐらいか。淡水ダイビングは初めてだったので、水に入った後、久しぶりにまじめにウエイトの調整をする。そして一番乗りでオープンエリアへ。グループメンバーの準備ができるのをオープンエリアで待った。

あこがれのセノーテで最初に出会った水中景色。

みんなの準備が整い、列をなして洞窟へ

洞窟の中はかなり暗い。水深10mぐらいになると同じ透明の水なのに境目ができているのが見えてくる。ハロクラインだ。セノーテは淡水のダイビングを書いたが、じつは海ともつながっていて、下の方は塩水になっている。その境目が光の屈折率のちがいではっきりと境目として見えるのだ。前を行くダイバーがその境目を泳ぐと水の中に波紋ができるようで面白い。そのもやもやに頭を突っ込んでしまうと辺り一面がもやもやになってしまう。また淡水は冷たく、海水は温かく、その差がはっきりとわかる。

暗いところをしばらく進むと進行方向に光が見えてくる。

そこからは光のカーテンと泉の底からジャングルを見上げる不思議な光景がひたすら続く。

光が注ぐのは洞窟の天井が崩落して穴が開いているから。つまりそこは地上から見れば他のセノーテだ。個々のセノーテは洞窟で他のセノーテとつながっている。崩落したときの一緒に落ちた木や、その後落ちてきた木々や葉が堆積して独特の景観を作り出す。

残念ながら少し曇っていたので、日差しが安定せず、光のカーテン全開とはいかなかったが、その分、外と中の明るさの差が軽減されたので森と、洞窟の両方のニュアンスを撮るのには向いていたかなと思う。

来た道をUターンして出口へ。

潜水時間53分。最大水深11.4m。生き物があふれるカラフルな海を撮るのが好きなので、今まで地形ダイビングはあまり心惹かれなかったのだが、セノーテは格別だ。1本目にして地形ダイビングの王様と悟る。

ダイビング後は温かいお茶で少し冷えた体を温めた。落ち着いたところで移動。バンの席にはシートが敷かれ、ウェットスーツのまま乗り込めるようになっていた。

タージマハ (Cenote Tajma Ha)

2本目はタージマハ。タージ・マハではない。ましてやタージ・マハルではない。その名前も通用しているようだが(笑)。正式にはタージマ・ハ。「タージマ」はマヤ語で澄んだ・透明な、と言う意味。「ハ」は水。その名の通り透明度の高い水のセノーテ。

メインの道路をからサインのあるところから細道に入る。メキシコ観光地でよく見るカラフル文字のお出迎え。

入り口を確認して、地図を見ながらブリーフィング。地図をよく見ると現地でもTaj Mahalとごっちゃになっていることを認めている様子笑。ここはタージマハからエントリーして洞窟を進み、途中シュガーボールというセノーテを経由してエスメラルダというセノーテまで行く。帰りは少し経路をかえてタージマハまで戻ってくるコース。

エントリーする前にカメラの持ち込み代金20ドルを係員に支払う。セノーテはたいてい個人の所有。持ち主が自由に入場料やカメラの持ち込み代金を決めているようだ笑。

エントリー口。エデンよりも冷たくひやっとする。水はエデンよりも明らかに澄んでいるのがすぐにわかる。

途中所々光が差し込むが全体に暗い中を進む。透明度が非常によく、ハロクラインがよく見える。光系のセノーテなのでいらないやと、ストロボを装備してこなかったので、暗すぎて撮影には向いていないので撮るのはあきらめた。サボらずに装備しておけばよかった。

セノーテ・シュガーボールを通過。光があるとスーパーな透明度がさらによくわかる。手前の岩はまるで水がないかのように見える。セノーテの周りに茂る草木がとてもクリア。透明のガラスの中に閉じ込められた景色を見ているかのようだ。素晴らしい景色に感嘆し、後ろを振り返りつつ前に進む。

先に進む。真っ暗な洞窟に徐々に怪しげで緑の光が差し込んでくる。セノーテエスメラルダ。

透明度のよい洞窟の中で、このセノーテの上層だけ異様な緑の煙が天井にたまったかのようになっている。上層に濁りのある層があるのだ。水面から上の景色は緑のすりガラスを通してみているようだ。水面からこちらへ木の枝や根が曇った層を突き抜けて伸びてきていて、一定の深さを超えるといきなり透明度のよい層になっていることがわかる。緑のフィルターを通ってきた光が、怪しく斜面の朽ちた木々を照らす。そしてなにより黄色から緑のグラデーションが美しかった。撮影するにはとても暗く難しいのはわかっていたが、それでもなんとかこの美しさを撮りたいと興奮しながらシャッターを切る。

後で聞いてみると毎回このようになっているわけではなくて、よく雨が降った後になりやすいとのこと。雨が降ると落ち葉のタンニンがしみ出て雨水を赤く染める。その水が上層に流れ込んでそのバランスでこのような色になるらしい。タイミングよく来訪できてラッキーだった。

ここがコースの折り返し地点だ。粘っていろんなカットを撮ってみたかった気持ちもあったが、他の人も一緒なので時間はかけられない。ぐっと我慢して帰途につく。

再びセノーテシュガーボール。行きとは盛り上がっている水底の山の反対側を通る。

一旦ここで浮上。ドームの天井に穴が開いたかのような開口部。神秘的な光景。

再び潜行。洞窟を進む。

洞窟の壁には鍾乳石もある。

シュガーボールとエスメラルダ以外にも洞窟に美しい光が差し込むところがある。

今回はちょっと暗くて証拠写真のみ。ここのベストシーズンは夏。そのときは3条の光が差し込んで来るそうだ。ここを通過したらセノーテタージマハに戻り。ダイビング終了。ただただ美しい光景。58分。最大水深13.3m。水温24.9度。

ランチ

ダイビング終了後、着替える。タージマハの駐車場広場の休憩場でランチタイム。ボリュームたっぷりのサンドイッチ。セノーテダイビングの良いところ一つは午前で終了、午後はフリーなのでランチでアルコールが飲めることだ(笑)。休憩所に張ってあった地図にはTaj Mahalの表示。ほんとにタージマ・ハなのかタージマハルなのかわからなくなってきた(笑)

ランチを終えて再び車に乗り、一路プラヤデルカルメンへ。15時前には到着。みんなで17時集合で夕飯の待ち合わせの約束をして、一旦ホテルに戻る。時差ぼけとランチのビールで相当眠い。スタッフの米本さんには、ここで寝ると時差ぼけ治りませんよと忠告されるも眠気に勝てず17時まで爆睡してしまった。

ディナータイム

17時前ぎりぎりになんとか自分に勝ってベッドから起き上がって再びショップへ向かう。

今日は地元の人であふれるメキシコ料理店へ。El fogon del may。後で調べたネット情報によるとチェーン店らしく、プラヤデルカルメンにも3店舗あるらしい。一番ショップに近い店舗へ。

メニュー。オールスペイン語なので1人で来るときは難易度がちょっと高いが、ダイブショップのスタッフさんとくれば全く問題なし。まあ、セルベッサ(ビール)、タコス(タコス)、アラチェラ(はらみ)さえわかれば、ビールが飲めてハラミのタコスが食べられるから1人でも大丈夫かと思う。僕はメキシコのアラチェラが大好き。どこに行ってもおいしいのでメキシコに来たら是非アラチェラを試すべきだ。

定番ビール、ドセキス(dos equis=double X)を頼んでみんなと乾杯。

つまみ達。サボテンとラディッシュ的ななにか。けっこう好み。

ケサディージャ。生のトウモロコシの生地にチーズを挟んで焼く料理。中身はアラチェラなど。

各種焼き肉。今回はアラチェラ、鶏、豚肉をみんなで分けていただいた。写真はアラチェラの皿。アラチェラ、なんでこんなにおいしいんだろう。

おなかいっぱい食べて大満足。ショップに戻って各自ホテルへ解散。ほろ酔い気分でベッドに入り、夢の中へ。明日のダイビングにそなえて睡眠をとる。

2日目以降へのリンク

2日目へつづく。

3日目はこちら。

4日目はこちら。

5日目陸上編はこちら。

コメント