タイで一番有名、一番人気と言っても過言でないダイビングポイント、リチェリューロック。毎年のように訪れて、はや10年近くになりましたが全く色あせることのないポイントです。毎回美しい光景を見せてくれる、その見どころを紹介します。
リチェリューロックってどんなところ?
タイのプーケットから約200km北東、アンダマン海にある岩礁です。スリン諸島国立公園に属していますが、スリンの島々からは20kmほど東、マレー半島方面に行ったところにあります。
アクセスとしてはプーケットか、カオラックからダイビングクルーズに乗船するか、カオラックからのデイトリップに参加して潜る方法があります。潜れるシーズンはだいたい11月から4月です。日本人のショップもありますので何も心配なく行けちゃいます。
この岩礁は大きなコの字型またはクロワッサン型をしています。干潮時には岩のトップが海面から見えますが、満潮時には完全に海面に沈みます。比較的こぢんまりとはしていますが、見所が多すぎて1回のダイビングでいろいろ見ながら1周するのは難しいので、何本かに分けて潜るのが主流です。デイトリップで2本、ダイビングクルーズの時は3本が多いと思います。
それでは見どころ紹介です。
とにかく生き物ぐっちゃり
まずこのポイントを一言で表すとしたら、「ぐっちゃり&カラフル」。大物も、中層を泳ぐ魚たちも、リーフに寄り添う魚も、トラフコウイカも、ミノカサゴも、とにかくぐっちゃりといます。とてつもなく魚影の濃いポイントです。
まわりに潮があたるような岩礁も島もないために、周囲の生き物がすべてここに集まってきます。そして岩礁自体はそれほど大きくないため、とにかく生き物の密集度がちがいます。大きく移動することなく、面白い光景を見ることができます。透明度が特にいいときは特に見渡す限り生き物だらけで本当に興奮する海です。
カラフル華やかなソフトコーラル
とにかくソフトコーラルで岩が覆われていてとてもカラフル。光の具合でピンクや赤、紫と変化します。花畑が山の一面に広がったような景色です。
そのソフトコーラルの畑にたくさんの魚が群れています。時期によってはスカシテンジクダイという透明な魚がソフトコーラルを一面に覆っています。きらきらと輝く様子は本当に美しいです。緑や青のオトメベラがピンクの花園を世話しなく飛び回るのも色のコントラストがとてもきれいです。色をより楽しむためにも水中ライトはあった方がいいですね。
ソフトコーラルは海水の流れによって大きく咲きます。流れが全くないときはびっくりするぐらい縮みます。流れは時間によって変わってくるので、見所を見逃さないためには1日1本だけでなく、何本か潜れたほうがよいです。
黄色のソフトコーラル畑もある
やや深いところになりますが黄色のソフトコーラル畑もあります。リチェリューロックはほとんどが赤・紫系のソフトコーラルなのですが、この一角だけなぜか黄色です。ここも、岩肌がピンクだったり、赤いユカタハタがゆっくり中を巡回していたり、やっぱりスカシテンジクダイがきらきらしていたりとカラフルで癒やされます。是非ガイドさんにリクエストしてください。
黄色の雲海キンセンフエダイ
キンセンフエダイという黄色の魚がものすごい数で群れています。魚群にまかれて黄色の雲の中に入ったかのようになることも。ソフトコーラルとのコントラストも素晴らしいです。
リチュリューロック全体で3,4カ所でまとまって群れているかと思います。突っ込むとばらけることもありますが、やがて同じようなところに戻って集まってきます。
ジンベエザメに会えるチャンス
最初に残念なお知らせではありますが、毎回ではありません笑。しかし毎シーズン1回以上は出ていると思います。そして当たり年はそれこそ毎日のように出現することも。しかもサイトをぐるぐると回り1回のダイビングで何回もみられることもあります。
リチュリューロックでのジンベエザメが特別だなぁと感じるのはカラフルなソフトコーラルや、そこら中に群れている魚群とのコラボを見られるチャンスがあることです。
リチュリューロックは30mぐらいの海底からぽつんと水面まで立ち上がる大きな岩で、周りに何もないためいつでも魚がぐっちゃり群れています。その岩はピンクから紫のソフトコーラルや緑の海草に覆われています。ジンベイエザメはその岩の周りをぐるぐる回るので、コースによってはとても賑やかな背景となります。ジンベエザメ単体の写真もかっこいいですが、背景がカラフルだとフォトジェニックですよ。魚群を引き連れるように泳ぐ姿は本当にかっこいいです。
魚群。魚群。魚群。
大きな魚の群れは興奮しますね。ここで見られるのはブラックフィンバラクーダや、ギンガメアジ、年によってはロウニンアジの若魚の群れも見られます。ブラックフィンバラクーダはどちらかと言うと浅い方に、ギンガメアジとロウニンアジは中層にいることが多いです。
シーズンによって規模はちがいますが、大規模なときは本当に壮観です。群れ同士のコラボや、その中をジンベイエザメが泳ぐなんてシーンに会えたときには興奮しすぎて大変です。
愛すべき小さな魚たち
大物も景観も素晴らしいだけではありません。ダイバーに人気の小さな生き物たちや固有種も見ることができます。
まずはタイガーテールシーホース。黄色と体からしっぽにかけてのしましま柄が特徴のタツノオトシゴの仲間です。リチェリューロックのアイドル的存在です。海底近くにいることが多いです。自分で探すのは難しいのですし、深いところなので2本目3本目だとダイビング計画によっては、行けなくなってしまうこともあります。1本目を潜る前にガイドさんにリクエストしておきましょう。
クマノミの固有種もいます。トマトアネモネフィッシュです。特徴的な濃い朱色のボディーに黒い斑。何となく情熱的な感じがします。幼魚は頭に白の帯が入っていて可愛いです。
派手派手な柄のフリソデエビ。日本にもいますが、こちらのフリソデエビは大きくて柄がはっきりしているのが多いです。おしゃれなヒレのニシキフウライウオもよく見ます。トラフケボリというど派手な虎柄の貝も。ちっちゃいけどカラフルでフォトジェニックなハゼも。ぜひ撮影に挑戦してください。
青い空と草原
岩の頂上にちかいところは、南の海中世界には珍しく、緑色の藻が群生してまるで草原のようです。カラフルな南の海でも、緑が美しい景色はなかなかありません。水面浮上の時に少し時間を取るようにしてここをリクエストした方がいいです。見逃さないようにしてください。
亀や、ギンガメアジが草原を駆けていくように通り過ぎていきます。干潮時には岩が水面に顔を出すようになり波が砕け、あわがきらきらと輝きます。ちりばめられたちいさな魚たちも混じって万華鏡のようです。
豪快な捕食の時間。サンセット。
クルーズ船でリチェリューロックを訪れたときには、魚がダイナミックに活動する夕暮れ時にダイビングをするチャンスがあります。日中も、ぐっちゃりと魚がいてとてもにぎやかな海中ですが、サンセットが近づくとそのぐっちゃりとした魚たちがとても慌ただしく動きます。捕食者が「ドンッ」とアタックをかけると小魚たちが「ザザザザッ」と一斉動きます。
大きめの魚たちがものすごい勢いでソフトコーラルの畑をなめるように飛び交っていきます。その上をバラクーダの群れが通過していくなって何でもありな状況になることも笑。このポイントはもともとの魚の数が多いのでそのダイナミックさ格別です。
最後に
タイのスーパーダイビングサイト、リチェリューロックの魅力伝わりましたでしょうか?
最後にいくつかお世話になったショップさんのページ掲載しておきます。日本からのツアーもたくさんありますよ。ぜひ潜りたいポイントです!
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