森と海の出会う場所
秘境、パプアニューギニア。海もまた素晴らしく、ダイバーあこがれの国と言えるでしょう。南部、ミルン湾、半島の北側にディーコンズリーフというダイビングポイントがあります。ここに海と森がまさに出会う場所がありました。
このポイントは入り組んで切り立った岩の海岸のポイントです。そしてその海岸を覆うように森が迫り、木々が勢力を誇るように茂っています。森が元気なんですね。海と森が直接触れあっています。このおかげで素晴らしい景観を目にすることができます。
木漏れ日の散歩
木々が海を覆っています。南国の太陽の光が葉と葉の隙間から光線となって海に降り注ぎます。その海中は、まるで木漏れ日で輝く静かな森の中です。海の中に居ながらにして森の中を散歩しているかのような気分になります。海と森を同時に楽しむかのような不思議な感覚になります。その中をゆったり進み、時にはしばらく木漏れ日の中で止まり、静かに佇むのは至福の時だと思います。
森の緑と海の色彩の共演
海の中は独特のカラフルさにあふれています。水の青。空の青、赤や黄色、紫の原色の魚たち。赤やオレンジのソフトコーラル。岩も海綿などに覆われて色彩豊かです。そこに、森の緑が加わります。森の木々を背景にして、カラフルなハナダイがちりばめられるように舞っているのは大変美しく、見逃せない光景です。
木漏れ日以外のみどころ
美しく元気な珊瑚礁
海と森の共演を味あうだけで1本のダイビングを終わらせるのもありだと思いますが、見るべきものはそれだけではありません。陸地に向かって切り立っている岩を離れると、美しくて元気な珊瑚礁が広がっています。ここをゆったりと進んで行くのもとても気持ちがよいです。
ハナダイが美しいドロップオフ
珊瑚礁を深い方に行くとドロップオフになっています。浅場の珊瑚礁とはまたちがった種類の珊瑚が群生しています。そこにカラフルなハナダイやススメダイの仲間が乱舞をしていて大変華やかな光景です。開いた海で少し流れが入るため、魚たちが活性化されて美しく舞っています。
潜るタイミングは?
木漏れ日狙いなら晴れた日の午後がいいです。日差しが高いところからさす時間を狙いましょう。ボートが半島の北側をまわっている日に、天気がよければ3本目にリクエストするといいと思います。人数が少なければ、3本目に木漏れ日ゾーンだけをゆっくり過ごすようにリクエストすることもできるでしょう。
普通のコース取りだと、エントリー後まず岸からやや離れたリーフとドロップオフを周ります。その後引き返して浅場の木漏れ日ゾーンをボートに向かって帰って来ます。日がそれほど高くない朝1本目に潜る時は、木漏れ日だけでなく、珊瑚とハナダイの美しいドロップオフも楽しんだ方がいいと思います。
シーズンはいつ?
一般的なアロタウ・ミルン湾のシーズンは日本の秋から春にかけての10月~6月といわれていますが、透明度を重視するなら日本の夏もいいかもしれません。水温は25度前後とやや低くなりますが、季節風が南から透明度のよい、きれいな海水を運んできます。季節風の関係で日本の夏にあたる時期は南からの季節風が吹くために、波が高く、ミルン湾の外洋に行くことができない日が多くなりますが、ディーコンズリーフのある北半島の北側は半島に守られて穏やかです。
日本の夏は一般にはパプアニューギニアの乾期ですが、ポートモレスビーやミルン湾のあるアロタウなど南部の一部地域は雨季乾季が逆で、雨が多い時期といわれています。しかし南国ですので一日中雨という日それほどないと思います。
ディーコンズリーフのある北半島の北側にはもちろん素晴らしいポイントがたくさんあるのですが、アロタウ・ミルン湾はそれだけではありません。ミルン湾の外洋には大物が期待できるポイントやたくさんのピグミーシーホースを観察できるポイントなどたくさんの魅力的なポイントがあります。ミルン湾の外洋を含めて一帯を楽しみたいのであれば、南からの季節風のない10月から6月がいいと思います。
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