セノーテダイビングの旅:最終日、陸上編

セノーテ
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セノーテとはメキシコのユカタン半島にある、地下水のたまった天然の泉、井戸のこと。その泉は水没した洞窟につながっている。石灰岩の大地で濾過された地下水は透明度100mと言われるほど透明だ。冒険心をくすぐる水没した鍾乳洞、天井の穴から降り注ぐ光のカーテンなど、美しいみどころが満載のダイバーあこがれのダイビングポイント。こちらは4日間のダイビングを終え、最終日に空港までの途中で遺跡見学に出かけた話。

ダイビング編はこちら。

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チェックアウト

ドンドンドンドン!!「○○さーん!」ドンドンドンドン!!「○○さーん!」。。。けたたましいノック音と叫び声に驚いて飛び起きる。「○○さーん」。あ、ガイドのトシさんの声だ。そして時計を見る。7時。あ、完全にやらかした。出発時刻だ。

「あ、すみません、寝坊しました。。。すぐ用意します」

「了解です。今日運転手さんが変わったので、大丈夫と思ったけど一応伝えに来たんです。運転手さんはロビーで待っててもらいますね。私はガイドがあるのでもうショップに戻りますね。」

「わかりました。すみません。すぐ行きます。」

大急ぎで着替えて準備。荷造りはほとんど寝る前に済ませていたので助かった。干していたウェットスーツなどをバッグに放り込んで部屋を退出。バタバタとチェックアウトした。今日はプライベートチャーターだったので他のお客さんはいない。スタッフの人以外に迷惑をかける人がいなくて本当によかった。

メキシコ最終日観光の勧め

メキシコシティから、日本への直行便は2019年の時点でANAとアエロメヒコの2つの航空会社が成田へ1日1便ずつ飛ばしているが、どちらも深夜発の便。なので夕方から夜にかけてメキシコ各地からメキシコシティに飛べば十分帰国便に間に合う。そのため、最終日もほぼ1日観光を楽しむことができる。むしろ、たいていのホテルではチェックアウトは午前中だから、何も予定していないと時間が大幅に余ってしまう。

ダイビングをメインにして旅行に来るときは、ダイビングをできるだけスケジュールに詰め込んでしまうのだが、搭乗日はダイビングが禁止のため、必然的に時間が余る。

メキシコシティ-成田直行便利用の時は、最終日、荷物をホテルに預けて観光するか、荷物ごと持って最後は空港に降ろしてもらえるようなツアーを組んでおくのがよいと思う。

今回はカンクン20時発メキシコシティ22時30分着、メキシコシティ午前2時20分発の旅程だ。18時頃に空港に着けばいい計算だ。

メキシコシティ成田直行便の豆知識

ちなみにメキシコシティ発がわざわざ深夜発に設定されているのは技術的な理由もある。キーワードは気温と空気の密度だ。深夜、気温が下がると空気の密度は上がる。それが飛行機にとって重要だ。

メキシコシティから成田へは11270km。これを偏西風に逆らって14時間ほど飛行する。現在使われている機体は燃費のよいボーイング787-8だが、航続距離は12000km。メキシコシティ、成田間は航続距離ぎりぎりだ。燃料を満タンにして飛ぶ必要がある。とても機体が重くなるのだ。さらに条件が悪いことにメキシコシティは海抜2230mの高地にある。空気が薄く、密度が低いのでエンジンの出力が出にくいうえに、翼に発生する揚力も下がるので、離陸が難しくなる。メキシコシティの滑走路は4000mがあるが、それでも離陸に必要なスピードを得るための加速をするのにぎりぎりの長さだ。そしてメキシコは高地だが緯度が低く、昼間はそこそこ暑い。暑いと空気は膨張して密度が低くなり、ますます離陸しにくくなる。つまり、深夜は逆に気温が下がって空気の密度が上がり、離陸のための条件がよくなるということだ。それでも、条件がギリギリで、重すぎて満席だと飛べないときがあるという。実際、アエロメヒコで当日になって重量が条件による規定を越えたため、翌日に振り替えられる人を募集したことがあるようだ。

チチェンイツァーまで

7時半にホテルをでた。バタバタだったので、朝食は当然食べていない。途中でコンビニに寄ってもらい、朝食を購入。朝食をゲットできたのでほっとしながら、本格的に出発。プラヤデルカルメンの街を後にする。ほどなく、高速道路に入って一路、最初の目的地、チチェンイツァーの遺跡に向かう。チチェンイツァーはユカタン半島のマヤ遺跡の中でも最も有名な遺跡のひとつだ。プラヤデルカルメンからチチェンイツァーまでは2時間半から3時間、少しまだ眠たかったのと、前日に飲んだ疲れがちょっと残っていたので、横になって寝ることにした。高速道路の状態もよく、あまり揺れないので快適に仮眠を取ることができた。寝ている間に到着。

チチェンイツァー

運転手さんにチケットをもらう。帰りの待ち合わせを1時間後の11時半にして、ゲートをくぐった。14年前に一回来ているので、今回はガイドさんはなし。写真を撮ってまわるだけなら1時間あれば大丈夫だろう。

まず入り口からの道を抜けてピラミッドのある広場へ。

正面にまわると大蛇ククルカンの階段がある。

正面からも。

アップ。

このククルカンの階段には仕掛けがあって、春分と秋分の日になると、階段の影が階段の側壁に大きな蛇の胴体となって浮かび上がり、一番下の頭とつながるようになる。

2005年に来たときは、このクルルカンの階段を上ることができた。2005年の写真。かなり急な階段だ。

こちらも昔の写真。頂上まで登ると遺跡全体がジャングルに囲まれていることがわかる。今はもうこの景色を見ることはできない。転げ落ちて亡くなった人もいたというから、安全性や遺跡の保護の面では仕方ないことなのだろう。

ピラミッドを一通り眺めて次へ行く。

戦士の神殿。

こちらも14年前は柱の手前まではステージに上がれたが、今は上がれなくなっていた。昔の写真。

柱廊。2019年。

2005年は可能だったが今は撮れない写真。

北の柱廊を追ってサウナや市場の方へ。

一度ピラミッドの広場に戻り、遺跡内のセノーテへ。ここのセノーテは潜っても何も見えそうにない笑。

もう一度戻って、球技場へ。

ここで約束の時間に近くなったので入り口に戻る。後から気がついたが天文台とその周辺エリアを撮るのを忘れていた笑。

ガイドなしでいいやと思っていたが、見事に徒然草第52段になってしまった笑。2005年写真で補ってみる。

少し時間があったので入り口の飲み物やさんで1杯シェイクを頼んで一息。ガイドさんと集合場所で再会。チチェンイツァー終了。

セノーテ・イキル( cenote Ik Kil)

車に乗り込み、次の目的地へ。チチェンイツァーから車で5分ぐらいのところにあるセノーテ。こちらはセノーテが一種のプールレジャー施設のようになっているところ。更衣室、シャワー、トイレなどがきちんと整備されていて、ツアー客用のバイキングを提供しているレストランや土産物屋もある。

ここで昼食を食べて、更衣室にあるシャワーでチチェンイツァーでかいた汗を流して、さっぱりする計画。セノーテそのものは観光客で芋洗い状態が予想されたのと、夜には飛行機に乗るため、せっかく乾いた水着をまた濡らしたくなかったので、上からのぞいて終了のつもりだった。

まずは昼食。よくあるツアー用のバイキング形式の料理。運転手さんと一緒に食べた。味は悪くなかった。

続いてシャワーへ。ここで、残念なことが発覚。更衣室にシャワーがあることは確認して入った。しかしシャワーは更衣室の中のオープンスペースにはたくさんあるのだが、個別ブースにシャワーがついているのは1つしかないのだ。しかもそのブースのシャワーは故障中という事件が。シャワー浴びる計画失敗(笑)。

気を取り直してセノーテ・イキルをのぞいてみる。

インスタ映えしそうな感じのセノーテだ。プールレジャー施設のように、ここまで整備されているセノーテはここだけだろう。ただし、本物のセノーテなので深さは40mだ。物を落としたらアウト。ライフジャケットも貸しだしている。

早々と出口に向かう。運転手さんと合流。事情を話す。すると、駐車場のトイレの建物の裏にシャワーブースがあると、係員から聞いたと教えてくれた。早速行ってみる。

使ってみたが、ここはお勧めしない笑。水しか出ない。服とタオルを置く場所がない。タオルは当然無い。使っている形跡がなく、床は泥だらけで、虫も落ちていた笑。それでもさっぱりしたかったので意地で使いこなした。結論としては素直に水着を持ってゲートをくぐった方がよかった笑。

当初の目的は達成したが、若干の残念さを残しながらセノーテ・イキルを後にした。

バジャドリ(Valladolid)

セノーテイキルから、カンクンへ向かう道の途中、バジャドリという名の街を通る。この町はコロニアル時代の教会があったり、通りにカラフルな建物並んでいてフォトジェニックな街だ。

中心の公園から運転手さんとお話ししながら散歩開始。フランシスコカントンロサド公園

公園から外側へ。

サンセルバシオ教会。

気になった道を行く。Calle 41という通り。一番左は今回の運転手さん(笑)

カラフルな通りに青い空。

碁盤の目のような通りでできている街で珍しく斜めの道があったので入ってみる。

Calzada de los Frailesという通りらしい。

ちょっとこの道はきれいすぎる印象。きれいだったがCalle 41の方が好みだ。

道は公園で終わった。

街のいたるところで見かけたビートル。普段は運転だけで特にガイドをするわけではない運転手さん、だんだん慣れてきたのか、日本にはビートルないの?メキシコにはたくさんあるよとか、この町の産業は云々など、いろいろ話をしてくれるようになったのがうれしかった。

公園からまたcalle 41に合流して中心の公園へ。日差しが強く疲労困憊。実は、街の中心にセノーテ・サシというセノーテもあり、泳ぎたい?と運転手さんにいわれたのだが、疲れたのでパス。

町歩きが好きな人にはお勧めの街だ。晴れた日は日差しが強く、いつも暑いので、一気にまわるのは疲れる。カフェに入ったり、土産物屋をひやかしたりしながら、のんびりまわるのがいいかもしれない。

車に戻る。あまりの暑さにペットボトルの水を一気に飲み干す。運転手さんにも1本渡してリフレッシュしてもらう。一息ついたところで、今回の陸ツアーは終了。一路カンクン空港に向かった。バジャドリから空港までは2時間ぐらいだ。

高速道路を一気に走って空港到着。17時過ぎには到着。予定より早く着いた。もう少しゆっくり観光できたかもしれないが、遅れるよりはずっとよい。車の中で機内用の服に着替える。運転手さんとはここでお別れ。全日程終了。後はメキシコシティ経由で日本に戻るだけ。陸観光はちょいちょい取りこぼしがあったが、まあ、全体としては満足。充実のメキシコ滞在となった。

メキシコシティまでのインテルジェット搭乗記はこちら。

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