バリ:ダイビングサファリ日記。第6日目:トランベン、パダンバイ

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インドネシア、バリ島。ダイバーにとっては、島中に潜っておきたいポイントが散らばっている。全部行ってみたいけど、そんなにしょっちゅうは休みは取れない。ということで、1週間の夏休みで一気に回ろうという欲張り企画のトランベン・パダンバイ編

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Day6:トランベン、沈船リバティー号

昨日に続き、トランベンに宿泊し、朝を迎えた。本日はトランベンのメインイベント。沈船リバティー号に潜る。カンムリブダイの朝の出勤風景を観察するために、夜明け前からエントリー準備をして暗いうちに、海に入る。

リバティー号は1918年建造され、第1次世界大戦と第2次世界大戦の時に、アメリカ軍に所属していた貨物船。1942年、オーストラリアからフィリピンに鉄道の部品を運ぶ途中、バリ島とロンボク島の間にある海峡の南西を航行中に、日本の潜水艦の魚雷攻撃を受けた。沈没は免れ、アメリカとオランダの駆逐艦がバリの最北端の街、シガラジャを目指して曳航を試みた。しかし途中で浸水が限界を超えたため、トランベンの海岸に座礁させられ、貨物が回収されることとなった。シガラジャはその当時、オランダのバリを含む小スンダ列島を管轄する植民地庁がある港を備えた街だった。トランベンのビーチに座礁したリバティー号は1963年のアグン山の噴火による揺れで、沖に向かって滑り、完全に水没した。

 

沈船となったリバティー号はトランベン1番のダイビングポイントとなり、魚が集まり美しいソフトコーラルが船体を覆っている。中でもポイントの目玉の1つが早朝、沈船を根城にした大きなカンムリブダイ達が活動を始め、群れとなって泳いで行くところが見られることだ。

カンムリブダイはブダイ科のなかでは最大級の大きさになり、大きい個体だと1.2mになる。頭にこぶがあり、サンゴを食べるための丈夫な歯は出っ歯で、特徴的な形とからだつきだ。浅い海域で集団になって寝る習性がある。早朝起きると列をなして沖に出かけていき、夕方戻ってきてドロップオフなどの岩陰で眠る。ここ、トランベンでは、その岩陰の役割をリバティー号がはたしている。

カンムリブダイの群れを狙って見られるポイントは限られている。アジア太平洋地域で有名なのはマレーシア、ボルネオのシパダン島、パラオ、そして、ここバリのトランベン。タイのスリン諸島トリンラ島でも見たことがあるが潜れるチャンスは少ない。

 

ダイビングを開始して暗い海底を沈船の方向へ泳いで行く。海は暗い。何とか肉眼でも見えるがライトがあった方が心強い。程なくして沈船に到着。デレックさんが上を指さす。すでにカンムリブダイの出勤は始まっていた。なかなかの迫力。しかし警戒心は強く近づくのは、わりと難しい。群れの中で一番近くにいた大きな個体は若干威嚇するような雰囲気で群れとこちらの間をぐるぐると泳いていた。決して一定の距離以上はこちらによってこないのだが、突進するかのような速さ。オスは縄張り争いで頭をぶつけ合って戦うこともあるというから、少し怖い。

撮影のためにはもっと近づいた方がいいのはわかっていた。が、びびりなのと、かなりの数のダイバーがいたので、もし近づきすぎて群れを逃がしてしまったときの他のダイバーの反応が恐ろしいため、あまりむちゃはしないようにして、観察と撮影をした。

しばらくして、カンムリブダイの一行は列をなしてどこかに去って行った。朝日が入り、やや明るくなった沈船を周り、1本目のダイビングを終えた。

荷物を整理して2泊した宿をチェックアウト。このあとは南へ向かう。

アグン山と棚田

次の目的地はパダンバイ。海岸沿いを行き東の端をぐるっと回ってもいいが、時間節約のため少々ショートカットした。トランベンからアメッド方面へ海岸線を行く。その途中にアグン山ををきれいに撮れる絶好のポイントがある。そこで一旦下車して撮影会をした。この日は天気もよく、しばし撮影を楽しんだ。

アメッドに行く手前で海岸線を離れてアグン山の東の裾野をすり抜けるショートカットの道に入った。途中に小高く眼下に棚田の広がる眺めの良い丘の道があり、ここでも時間をとって撮影。17mmレンズでも画角に収まりきらないのでパノラマ合成前提で撮影してみた。

パダンバイ

棚田地帯を抜け、緩やかな山道を下り南の海岸線に出た。海岸線を少し西に進みパダンバイに到着した。パダンバイは、ロンボク島やギリ島行きのフェリーの出る小さな港町で、ダイビングやシュノーケルも楽しめる。

港に到着し、早速準備にとりかかった。

Jetty

パダンバイ1本目のポイントはJettyという名のポイント。Jettyとは桟橋のことで、その名の通り港の桟橋の下を潜る。小さなボートで桟橋の近くまで行き、バックロールでエントリーした。入ってみて最初の感想は冷たい!だった。早朝潜ったトランベンとは大違いだ。水温は22度しかない。7月から9月にかけてバリ島の南の海は水温が下がる。下がるとは聞いていたがやっぱり寒い。しかし水中景観はそれを忘れるほどの面白さだった。

中層をタカサゴの仲間が群れを背景にヘラヤガラの群れが絶妙な散らばり方で浮いている。不思議なバランスの造形に魅了されて、何回もシャッターを切った。桟橋の支柱は大きな木の幹のようで、青い森を散歩しているかのようだった。このポイント印象は不思議。ヘラヤガラが時が止まったかのように浮遊していたり、桟橋の森をゆっくりと形を変えながら魚たちが通り過ぎていく。魚はたくさんいてにぎやかなはずなのに、なぜか時間の流れが、それと不釣り合いにゆったりしていた。

水温は低かったが、時間を忘れて1時間以上水中を堪能してエキジットした。

Jepung

昼食をはさんでパダンバイ2本目を潜る。ポイントはバタンバイの湾を出てすぐのJepunというポイントだ。Jettyよりも色のあるポイントという印象だ。

こちらも1時間弱水中を楽しんだところで、さすがに体が寒くなり、エキジット。着替えて荷物をまとめたところで、温かくて甘い紅茶をいただいて、ほっと一息。

本日のダイビングはこれで終了し、一路、次の宿泊地であるサヌールに向かった。サヌールにはヌサペニダに向かうダイビングボートが出るビーチがある。明日はいよいよマンボウ狙いの海に挑戦だ。

7日目、最終日へつづく

お世話になったショップさん:http://www.underwatertribe.com/

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