セノーテとはメキシコのユカタン半島にある、地下水のたまった天然の泉、井戸のこと。その泉は水没した洞窟につながっている。石灰岩の大地で濾過された地下水は透明度100mと言われるほど透明だ。冒険心をくすぐる水没した鍾乳洞、天井の穴から降り注ぐ光のカーテンなど、美しいみどころが満載のダイバーあこがれのダイビングポイント。今回はダイビングに4日間を使って8つのセノーテを潜る計画だ。
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出発まで
本日の集合は朝8時。今日のセノーテは、今までの3日間とちがって、プラヤデルカルメンの街を北上したところにある。今までの3日間はすべて南下していた。今日も昨日ご一緒した写真家の方とゲスト2人で潜る。ガイドさんはメキシコの方と日本の方の2人。4人のパーティだ。
サポテ(Zapote)
本日の1本目はサポテ。このセノーテはいままでで一番整備されていた。エントリー口の階段もしっかりしており、なぜか飛び込んで遊べるように飛び込み台がついている。敷地のトイレも一番きれいでしっかりした作りだった。セノーテ以外にも敷地内をバギーで走るアクティビティも用意されているらしい。
残念な点は、施設がしっかりしている分、カメラ持ち込み料が高い笑。一眼レフは公には1000ペソだ。しかし交渉次第のところもある笑
このセノーテは形は口が細く、途中までさらに細くくびれてそこから大きく丸く膨らんだ形をしている。ちょうどこんなイメージだ。その大きく膨らんだところの天井部分にベルの形の鍾乳石が幾重にも重なってぶら下がっているのが特徴だ。
エントリー口。右上に見えているのが飛び込み台だ。10mぐらいあってかなりのスリルがありそうだ。早速準備してエントリーした。
エントリ-。透明度は悪くないが、狭いくびれの部分を過ぎると光量が大幅に減り、無茶苦茶暗かった。入り口直下には落木があり、そこから急に空間が広くなる。天井にお目当ての鍾乳石があるのが見えてきた。ライトをあてて形をしっかり見る。
通常の鍾乳石は炭酸カルシウムをたくさん含む地下水が洞窟の天井からぽたぽたとしたたるときに、炭酸カルシウムが析出して成長していく。地下水がぽたぽた垂れる状況がないと成長しない。つまり、地下水で満たされている洞窟であるセノーテでは成長しない。しかし、ここの鍾乳石は今でも成長しているのだ。どうやらバクテリアの働きによるらしい。
昨日のアンヘリータよりも暗く、オートフォーカスがかなり厳しいので撮影は少しあきらめモードであった(笑)が、なかなか面白い。
底の方は硫化水素の雲で覆われている。マップによると、この下に古代生物の化石もあるようなのだがファンダイビングでいける深度ではなかった。
落木や上からの光との絡みがうまく撮れれば、いい感じになりそうなことはわかったが、ベルには照明が必須と思う。たまたま他の人のライトがいい向きの時に急いで撮影。次回潜るときにはグループで事前に作戦を立てて協力した方がよさそうだ。
潜水時間39分。最大水深32.0m。水温24.5度
エキジット後にガイドさんお手製のチーズケーキをいただき、温かいお茶と一緒にほっと一息。
マラビジャ(Maravilla)
少し車で移動して2本目。2本目はマラビジャ。スペイン語で驚きと意味の言葉だ。ここはサポテとうって変わって質素な整備具合のセノーテ。
エントリー口。直径5mぐらいのちいさな入り口。
このセノーテの何が驚きなのかと言うと、その構造。エントリーして潜行。しばらくは暗くて壁も見えないので、中がどうなっているか全然わからない。さら潜行して行く。15m近く潜るとようやく、深度27mのところにある硫化水素の白い雲がみえて来て、そこを目指してさらに潜行。そして光の方を振り返った様子がこれだ。
途中何も見えなかったのは、単純に暗いわけでも透明度が悪いわけでもない。だだっ広すぎて周りに何もなかったからなのだ。完全に空っぽ。そこに入り口からのスポットライトのみ。セノーテは地形ダイビングの王様だなと思っていたけど、ここまで、何もないと言うことで成立する地形ポイントがあるなんて思ってもみなかった。
この日は空に雲が多く、日差しは強くなったり、弱くなったり。最初は雲を通過し拡散した柔らかい光が差し込んで来ていた。やがて雲の切れ間から直射日光がエントリー口から注ぎ込んでくるようになると、ぼんやりと広がっていた光がまっすぐの軌跡を描き出す。硫化水素の雲がステージの様だ。
最後まで光を楽しんで終了。今回の旅最後のダイビングを飾るにふさわしいセノーテだった。
潜水時間45分、最大水深26.8m。水温24.5度。
終了後はガイドさんお手製のちらし寿司をいただき幸せなひととき。
夕食
明日の朝早くチェックアウトの予定のため、荷造りできる部分はやってから、再びショップに集合。別のセノーテに行っていたゲストさん達も合流して、少し離れたところにあるステーキハウスに、タクシーに分乗して移動。
最後の日もやっぱりドセキス・アンバー。
サラダ。
肉肉肉。心ゆくまで肉を堪能。
会話も弾み、これまた楽しく飲んだ。ダイビングに食事も大満足。気分よくホテルに帰り、ベッドに入る。潜ったセノーテの光景を思い出しながら、眠りに落ちた。
5日目、陸上観光に続く
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